八王子不動産売買専門の株式会社cocoro不動産の柴田のブログです。

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24時間換気システム

現在の住宅では、壁や天井に設けられた給気口や換気扇によって、室内の空気を継続的に入れ替える「24時間換気システム」が一般的に設置されています。

単に「空気をきれいにするための設備」と思われがちですが、実は建築基準法に基づくシックハウス対策として位置付けられた重要な住宅設備です。

中古住宅を購入するときにも、「換気扇が動くか」だけではなく、給気口・排気口・建具のアンダーカットなどを含めた住宅全体の換気経路が正常に機能しているかを確認することが重要です。

24時間換気システムとは?

24時間換気システムとは、機械換気設備などを利用して、住宅内部の空気を計画的かつ継続的に入れ替える仕組みです。

ポイントは、「換気扇が24時間回っていること」だけではありません。

住宅のどこから外気を取り込み、どの部屋を通り、どこから屋外へ排気するのかという空気の流れそのものを設計する設備です。

例えば住宅では、

「居室の給気口 → リビング・寝室 → 廊下 → 洗面所・トイレ等 → 排気口」

といった空気の流れをつくるケースがあります。

そのため室内ドアの下部には「アンダーカット」と呼ばれる隙間を設けたり、換気ガラリを設置したりして、ドアを閉めた状態でも空気が移動できるように設計されています。

なぜ24時間換気が必要になったのか?

大きな理由は「シックハウス対策」です。

住宅の高気密化が進む一方、建材・接着剤・家具などから発散されるホルムアルデヒド等の化学物質が室内に滞留し、健康への影響が問題となりました。

そこで2003年7月1日に建築基準法に基づくシックハウス対策が施行されています。

建築基準法第28条の2や建築基準法施行令第20条の5~第20条の9などによって、建築材料の使用制限だけでなく、換気設備についても基準が設けられています。

【国土交通省|建築基準法に基づくシックハウス対策について】

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html

F☆☆☆☆の建材なら24時間換気は不要?

ここは誤解されやすいところです。

現在の住宅では、ホルムアルデヒドの発散量が極めて少ない「F☆☆☆☆」の建材が広く使われています。

しかし、F☆☆☆☆の建材を使用しているからといって、原則として24時間換気が不要になるわけではありません。

国土交通省も、内装仕上げ等にホルムアルデヒドを発散する建材を使用していない場合でも、家具などからホルムアルデヒドが発散する可能性があるため、居室を有する建築物には原則として機械換気設備の設置が必要と説明しています。

つまり、

「建材の発散量を抑える対策」と「室内を換気する対策」は別々に必要

という考え方です。

住宅では「0.5回/h以上」が一つの基準

住宅等の居室では、原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備が必要とされています。

0.5回/hとは、計算上、1時間あたり室内空気の半分に相当する量を換気するという意味です。

例えば住宅内部の対象となる空間の容積が100㎥であれば、

100㎥ × 0.5回/h = 50㎥/h

となり、1時間あたり50㎥程度の有効換気量を確保するという考え方になります。

単純計算では約2時間で室内容積相当の空気を換気することになりますが、実際には新しい空気と既存の空気が混ざりながら換気されるため、「2時間ですべての空気が完全に入れ替わる」という意味ではありません。

24時間換気には3つの方式がある

住宅の換気方式は、大きく「第1種換気」「第2種換気」「第3種換気」に分類されます。

第1種換気

給気:機械

排気:機械

給気と排気の両方をファンで行う方式です。

給気量と排気量を機械的にコントロールしやすく、計画的な換気を行いやすいことが特徴です。

熱交換型換気設備と組み合わせ、排気する空気の熱を利用して外気を室温に近づけてから取り込むシステムもあります。

高気密・高断熱住宅との相性が良い一方、設備費用やダクト施工、フィルター交換・清掃などの維持管理について確認する必要があります。

第2種換気

給気:機械

排気:自然

ファンで外気を取り込み、排気口などから自然に空気を排出する方式です。

室内が正圧になりやすいことから、外部から汚染空気を侵入させたくない医療施設やクリーンルームなどで使用されることがあります。

一般的な住宅では、第1種や第3種と比較すると採用例は多くありません。

第3種換気

給気:自然

排気:機械

外壁などに設けられた給気口から自然に外気を取り込み、トイレ・洗面所・浴室などの排気ファンによって屋外へ排出する方式です。

設備構成が比較的シンプルで、戸建住宅やマンションでも広く採用されています。

一方で冬季には給気口から冷気を感じることがあり、それを理由に居住者が給気口を閉じてしまうケースがあります。

「寒いから給気口を閉める」は要注意

24時間換気で非常に重要なのが給気口を開けておくことです。

排気ファンが正常に動いていても、給気口がすべて閉じられていれば、本来設計された量の外気を取り込むことができません。

特に第3種換気では、

「給気口から空気を入れる」

「室内を空気が移動する」

「換気扇から排出する」

という一連の経路によって換気が成立しています。

したがって、給気口だけを閉めてしまうと換気量が不足し、建物の隙間など想定外の場所から外気を吸い込む可能性もあります。

24時間換気のスイッチは切ってもいい?

基本的には常時運転することを前提として使用する設備と考えた方がよいでしょう。

「24時間換気」という名称のとおり、継続して運転することで計画された換気量を確保する仕組みだからです。

なお、「居住者がスイッチを切った瞬間に建築基準法違反になる」という意味ではありません。

建築基準法上は建築物に必要な換気設備を設置することについて規定されていますが、住宅性能を適切に発揮させるという観点では、通常は常時運転することが基本となります。

キッチンや浴室の換気扇とは目的が違う

24時間換気と、キッチンのレンジフードや浴室換気扇は、必ずしも同じ役割ではありません。

レンジフードは調理時に発生する臭い・煙・水蒸気などを短時間に大量排気する「局所換気」です。

一方、24時間換気は住宅全体の空気を継続的に入れ替える「全般換気」として計画されます。

そのため、

「料理のときにレンジフードを使っているから24時間換気は必要ない」

ということにはなりません。

24時間換気は結露・カビ対策にもなる?

24時間換気によって室内の水蒸気が屋外へ排出されるため、結果として湿度上昇を抑える効果が期待できます。

その意味では、結露やカビを抑制するうえでも重要な設備です。

ただし、

「24時間換気を動かしていれば結露やカビは絶対に発生しない」というものではありません。

結露には、

・室内湿度

・室内外の温度差

・断熱性能

・気密性能

・窓の断熱性能

・家具の配置

・床下や小屋裏の状態

・漏水や雨水侵入

など複数の要因が関係します。

特に収納内部や家具の裏側などは空気が滞留しやすいため、住宅全体の換気設備が正常でもカビが発生する場合があります。

したがって、カビや異常な高湿度が発生している住宅では、24時間換気設備だけを原因と決めつけず、建物全体を調査することが重要です。

フィルターが目詰まりすると換気量が低下する

24時間換気システムは、設置されていれば永久に同じ性能を維持できる設備ではありません。

給気口や換気ユニットにはフィルターが設置されていることが多く、ホコリ・花粉・虫などが付着して徐々に通気抵抗が大きくなります。

フィルターの目詰まりが進むと、ファンが動いていても必要な換気量を確保できなくなる可能性があります。

そのため定期的な清掃・交換が必要です。

具体的な清掃周期や交換周期は機種によって異なるため、メーカーの取扱説明書を確認することが基本です。

中古住宅では「付いているか」だけでなく「機能しているか」を確認

中古住宅を購入するときには、24時間換気設備について次のような点を確認しておくと安心です。

・24時間換気設備の有無

・換気扇が実際に作動するか

・異音がないか

・給気口が塞がれていないか

・フィルターが極端に汚れていないか

・各室の空気が排気設備まで移動できる構造になっているか

・ドアのアンダーカットや換気ガラリが塞がれていないか

・リフォームによって換気経路が変更されていないか

特に間取り変更を伴うリフォームでは注意が必要です。

もともと一体として換気計画されていた空間を壁や建具で分割すると、空気が排気口まで流れなくなる可能性があります。

国土交通省も、確認申請を必要としないリフォームであっても建築基準法への適合が必要であることを示しています。

2003年以前の中古住宅は要確認

中古住宅では建築時期も重要なポイントです。

現在のシックハウス対策に関する規制は、2003年7月1日以降に着工された建築物に適用されています。

そのため、それ以前に建築された中古住宅では、現在一般的になっている24時間換気設備が設置されていない住宅もあります。

ただし、古い住宅だから直ちに換気性能が悪いというわけではありません。

建物の気密性能、自然換気の状態、後から設置された換気設備などによって状況は異なります。

中古住宅では「築年数」だけで判断せず、現在どのような換気設備・換気経路になっているかを個別に確認することが重要です。

24時間換気と住宅の気密性能

現代住宅では高気密化が進んでいるため、換気設備と気密性能は密接に関係しています。

住宅の気密性が高ければ、設計した給気口から空気を取り込み、計画した排気口から排出しやすくなります。

一方、大きな隙間が多数存在する住宅では、給気口以外の場所から外気が流入し、計画どおりの空気の流れにならないことがあります。

つまり24時間換気は、単なる「換気扇」という設備ではなく、

建物の気密性能・給気口・排気設備・室内建具・間取りを含めた一つの換気計画

として理解することが重要です。

不動産売買では換気設備も確認したい

中古住宅の内覧では、どうしてもキッチン・浴室・給湯器・エアコンなど目につきやすい設備に注意が向きます。

しかし24時間換気システムも、室内環境に影響する重要な住宅設備です。

特に、

「室内が妙に湿っぽい」

「収納内部にカビが多い」

「窓の結露が非常に多い」

「室内に臭いがこもっている」

といった住宅では、換気設備の作動状況や給気口の状態を確認する価値があります。

もちろん換気設備だけが原因とは限りませんが、住宅の状態を判断する一つの重要なチェック項目です。

よくあるご質問(Q&A)

Q1.24時間換気はずっと動かしておいた方がいいですか?

原則として常時運転を前提に考えた方がよいでしょう。

短時間の停止だけで直ちに問題が起こるわけではありませんが、長期間停止すると本来計画されている換気量を確保できなくなります。

Q2.冬に寒いので給気口を閉めても大丈夫ですか?

基本的にはおすすめできません。

給気口は24時間換気システムの重要な構成部分なので、閉鎖すると設計上必要な換気量を確保できない可能性があります。

Q3.F☆☆☆☆の建材なら24時間換気はいらないのですか?

原則として必要です。

建材だけでなく家具等からもホルムアルデヒドが発散する可能性があるため、国土交通省は原則として居室を有する建築物への機械換気設備の設置を求めています。

Q4.24時間換気をしていればカビは発生しませんか?

必ずしもそうではありません。

換気不足はカビ発生の一因になりますが、断熱不足、結露、床下湿気、漏水、家具配置などさまざまな原因が考えられます。

Q5.中古住宅を購入するとき、24時間換気は確認できますか?

確認できます。

換気扇の作動だけでなく、給気口、排気口、フィルター、アンダーカット、室内の空気経路などを確認することが重要です。

必要に応じてホームインスペクションなどで住宅全体の状態を確認する方法もあります。

Q6.2003年以前の住宅には24時間換気がないのでしょうか?

必ずないわけではありませんが、現在のシックハウス対策に関する建築基準法上の規制は2003年7月1日以降に着工された建築物に適用されています。

そのため、それ以前の住宅では現在と異なる換気計画となっている場合があります。

まとめ

24時間換気システムは、単なる「換気扇」ではありません。

建築基準法のシックハウス対策を背景として、住宅内部の空気を継続的・計画的に入れ替えるための重要な設備です。

住宅では原則として換気回数0.5回/h以上の換気設備が求められ、給気口・排気設備・建具などを含めて住宅全体で一つの換気経路が形成されています。

そのため、給気口を閉じたり、換気設備を停止したり、リフォームによって空気の経路を遮断したりすると、本来の換気性能が発揮できない場合があります。

中古住宅の場合は、「24時間換気あり」という設備表上の記載だけではなく、現在そのシステムが正常に機能しているかを確認することが重要です。

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【本ブログ監修者】

株式会社cocoro不動産 代表取締役

★柴田祐介(しばた ゆうすけ)1981年生まれ

大手不動産会社にて、八王子・町田・新百合ヶ丘など多摩地区を中心に約17年間、不動産売買仲介業務に従事。

【保有資格】宅地建物取引士/二級建築士/2級FP技能士/相続アドバイザー2級/既存住宅状況調査技術者(受講済)

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