遺言書がある不動産売却で確認すべきこと
POST:

不動産の所有者が亡くなり、遺言書が残されている場合、その不動産を売却するには、通常の相続不動産の売却とは違う確認が必要になります。
「遺言書があるから、その内容どおりにすぐ売れる」と考えられがちですが、実務ではそう単純ではありません。
遺言書の種類、内容、有効性、遺言執行者の有無、相続登記の方法、他の相続人との関係、遺留分の問題、売却代金の分け方などを確認しなければ、売買契約後に手続きが止まったり、相続人間のトラブルに発展したりする可能性があります。
特に不動産は、預貯金のように簡単に分けられる財産ではありません。
誰が所有者になるのか。
誰が売主として署名押印するのか。
売却代金を誰が受け取るのか。
他の相続人の同意が必要なのか。
このあたりを曖昧にしたまま売却活動を始めてしまうと、買主や仲介会社、司法書士、金融機関を巻き込んだ大きな問題になることがあります。
今回は、遺言書がある不動産を売却する際に確認すべきポイントを、不動産売却の実務目線で詳しく解説します。
まず確認すべきは「遺言書の種類」
遺言書がある場合、最初に確認すべきことは、その遺言書がどの種類の遺言書なのかという点です。
主な遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言があります。
不動産売却の実務で特に多いのは、公正証書遺言と自筆証書遺言です。
公正証書遺言は、公証役場で作成される遺言書です。
公証人が関与して作成されるため、形式面の不備が起こりにくく、原本も公証役場に保管されます。
そのため、相続開始後に家庭裁判所で検認を受ける必要はありません。
一方、自筆証書遺言は、遺言者本人が自分で書く遺言書です。
手軽に作成できる反面、日付、署名、押印、財産の特定方法などに不備があると、相続手続きや不動産売却の場面で問題になることがあります。
自筆証書遺言の場合、原則として家庭裁判所の検認が必要です。
ただし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は、家庭裁判所の検認は不要です。
この違いは、不動産売却のスケジュールに大きく影響します。
検認が必要な遺言書であれば、売却活動を始める前に、検認手続きにどの程度の期間がかかるかを見込んでおく必要があります。
遺言書の内容で不動産の取得者が明確になっているか
次に確認すべきことは、遺言書の中で、その不動産を誰が取得するのかが明確に書かれているかどうかです。
例えば、次のような記載であれば、不動産の取得者は比較的判断しやすいといえます。
「長男〇〇に、下記不動産を相続させる」
「妻〇〇に、下記土地建物を遺贈する」
「不動産を売却し、その代金を長男と長女で2分の1ずつ取得させる」
このように、不動産そのものを誰に取得させるのか、または売却代金を誰に分けるのかが明確であれば、その後の手続きも組み立てやすくなります。
一方で、遺言書に「財産は長男に任せる」「自宅については家族で相談すること」などの曖昧な表現がある場合は注意が必要です。
このような記載では、不動産の取得者や売却権限が明確とはいえない場合があります。
不動産売却では、誰が所有者として登記できるのか、誰が売買契約の売主になるのかが非常に重要です。
遺言書があっても、内容が不明確であれば、相続人全員による遺産分割協議が必要になる可能性があります。
「相続させる」と「遺贈する」では手続きが違う
遺言書に不動産の承継が書かれている場合、「相続させる」と書かれているのか、「遺贈する」と書かれているのかも重要です。
一見すると似ていますが、法的な意味や登記手続きに違いがあります。
「相続させる」という文言は、通常、法定相続人に対して特定の財産を取得させる場合に使われます。
例えば、「長男に自宅土地建物を相続させる」という内容です。
この場合、長男が相続人であれば、遺言に基づいて長男名義への相続登記を行い、その後に長男が売主として売却する流れになります。
一方、「遺贈する」という文言は、相続人以外の人に財産を渡す場合にも使われます。
例えば、内縁の妻、孫、知人、法人などに不動産を渡す場合です。
遺贈の場合は、登記手続きや関係者の関与が複雑になることがあります。
遺言執行者がいるかどうか、包括遺贈なのか特定遺贈なのか、受遺者が相続人なのか第三者なのかによって、手続きの進め方が変わります。
不動産売却の前には、遺言書の文言を単に読むだけではなく、司法書士などに確認し、どの登記原因で名義変更を行うのかを整理することが重要です。
遺言執行者が指定されているか
遺言書がある不動産売却で非常に重要なのが、遺言執行者の有無です。
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人です。
遺言書の中で、「遺言執行者として〇〇を指定する」と書かれていることがあります。
遺言執行者がいる場合、預貯金の解約、不動産の名義変更、遺贈の履行などを進める中心的な立場になります。
不動産を売却して代金を相続人や受遺者に分ける内容の遺言であれば、遺言執行者が売却手続きに深く関与することがあります。
ここで注意すべきなのは、遺言執行者がいるからといって、どのような売却でも自由にできるわけではないということです。
遺言執行者の権限は、あくまで遺言の内容を実現する範囲に限られます。
遺言書に「不動産を売却して分配する」と明確に書かれていれば、売却権限が認められやすいと考えられます。
一方で、「長男に相続させる」とだけ書かれている場合、その不動産は長男が取得するため、通常は長男が名義変更後に売却する流れになります。
遺言執行者が売主になるのか。
取得者である相続人が売主になるのか。
相続人全員の関与が必要なのか。
この判断を誤ると、契約書の売主表示や登記手続きに支障が出ます。
売却前に相続登記が必要になる
遺言書がある場合でも、不動産を売却する前には、原則として相続登記が必要です。
亡くなった方の名義のままでは、通常、買主へ所有権移転登記をすることができません。
そのため、まず遺言書に基づいて取得者へ名義変更を行い、その後に売買による所有権移転登記を行う流れになります。
例えば、父名義の不動産について、「長男に相続させる」という遺言書がある場合、まず長男名義へ相続登記を行います。
その後、長男が売主として買主へ売却します。
また、「不動産を売却して、その代金を相続人で分ける」という内容の遺言書であれば、誰の名義に登記して売却するのか、遺言執行者が売却できるのかを個別に確認する必要があります。
令和6年4月1日からは、相続登記の申請が義務化されています。
相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
遺言書がある場合も対象になります。
そのため、「売るかどうか決まっていないから登記は後回しでいい」と安易に考えるのは危険です。
売却を検討している段階でも、早めに登記の可否、必要書類、手続き期間を確認しておくべきです。
遺言書の検認が済んでいるか
自筆証書遺言が自宅などで見つかった場合、家庭裁判所で検認手続きを行う必要があります。
検認とは、遺言書の存在と内容を相続人に知らせ、遺言書の形状や日付、署名、加除訂正の状態などを確認する手続きです。
検認は、遺言書の有効・無効を判断する手続きではありません。
ここを誤解している方は少なくありません。
検認が終わったからといって、その遺言書が必ず有効と確定するわけではありません。
ただし、検認が必要な遺言書については、検認を経なければ、その後の相続登記や不動産売却手続きに進めないことがあります。
また、封印のある遺言書を勝手に開封することも避けるべきです。
自筆証書遺言が見つかった場合は、まず開封せず、家庭裁判所または専門家に相談することが大切です。
なお、公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言については、家庭裁判所の検認は不要です。
遺言書が複数ないか確認する
遺言書が見つかった場合でも、それが最後の遺言書とは限りません。
遺言書は、後から作り直すことができます。
複数の遺言書がある場合、内容が抵触する部分については、原則として後の遺言が優先されます。
例えば、平成25年の遺言書では「長男に自宅を相続させる」と書かれていたものの、令和3年の遺言書では「長女に自宅を相続させる」と書かれている場合、後の遺言書が重要になります。
不動産売却の実務では、古い遺言書だけを前提に動いてしまうと、後から新しい遺言書が見つかり、手続きが根本から変わることがあります。
公正証書遺言であれば、公証役場で検索できる場合があります。
法務局保管制度を利用している自筆証書遺言についても、相続開始後に一定の手続きにより確認できる場合があります。
売却を急ぐ場合でも、遺言書の有無と最新性の確認は非常に重要です。
遺留分の問題を確認する
遺言書があっても、すべてが完全に自由になるわけではありません。
相続人の中には、遺留分という最低限の取り分を主張できる人がいます。
遺留分があるのは、主に配偶者、子、直系尊属です。
兄弟姉妹には遺留分はありません。
例えば、「全財産を長男に相続させる」という遺言書があった場合でも、他の子が遺留分侵害額請求を行う可能性があります。
現在の制度では、遺留分の請求は原則として金銭請求です。
そのため、遺留分を主張されたからといって、不動産の売買そのものが必ず無効になるわけではありません。
しかし、売却代金の使い道や分配、相続人間の感情面に大きく影響します。
特に、相続人の一人が不動産を取得してすぐに売却する場合、他の相続人から「売却代金があるなら遺留分を支払ってほしい」と言われる可能性があります。
不動産売却では、法律上売れるかどうかだけではなく、売った後に争いが起きないかも重要です。
売却前に、遺留分侵害の可能性があるか、請求期限に注意が必要か、支払原資をどう確保するかを検討しておくべきです。
相続人全員の同意が必要かを確認する
遺言書がある場合でも、相続人全員の同意が不要とは限りません。
不動産の取得者が遺言書で明確に定められており、その人が単独で相続登記できる場合は、その取得者が売主として売却できることがあります。
一方で、遺言書の内容が不明確な場合や、遺言書に含まれていない不動産がある場合、相続人全員による遺産分割協議が必要になることがあります。
また、遺言書には不動産の取得者が書かれていても、実務上、他の相続人との関係を無視して進めるとトラブルになるケースもあります。
例えば、次のような場合です。
長男が不動産を取得する遺言書があるが、長女が遺言書の有効性を争っている。
遺言書作成時に認知症の疑いがあった。
特定の相続人だけが極端に有利な内容になっている。
他の相続人が遺留分侵害額請求を検討している。
このような場合、法律上は登記や売却が可能に見えても、後から紛争化するリスクがあります。
不動産売却では、買主に安心して購入してもらう必要があります。
そのため、相続人間で争いがある物件は、買主側や金融機関、司法書士が慎重になることがあります。
遺言書の有効性に疑義がないか
遺言書があるからといって、必ず有効とは限りません。
特に自筆証書遺言では、形式不備や判断能力の問題が争点になることがあります。
確認すべきポイントは、主に次のような点です。
全文が自書されているか。
日付が明確に書かれているか。
署名押印があるか。
訂正方法に不備がないか。
不動産の表示が特定できるか。
遺言作成時に遺言能力があったか。
遺言者が誰かに強制されて書いた疑いがないか。
例えば、不動産の表示が「自宅を長男に相続させる」とだけ書かれている場合でも、他に自宅と呼べる不動産が複数あると、特定に問題が生じることがあります。
また、遺言作成時に高度の認知症であった可能性がある場合、他の相続人から遺言無効を主張されることもあります。
不動産売却は高額取引です。
遺言書の有効性に疑義がある場合は、売却活動を急ぐ前に、弁護士や司法書士に確認することが重要です。
不動産の表示が登記簿と一致しているか
遺言書に不動産が書かれている場合、その表示が登記簿上の不動産と一致しているかを確認する必要があります。
住所と地番は異なることがあります。
建物の家屋番号も、普段使っている住所とは違います。
例えば、遺言書に「八王子市〇〇町の自宅土地建物」と書かれていても、登記上は複数筆の土地に分かれていることがあります。
前面道路部分、私道持分、ゴミ置場持分、共有通路、附属建物などがある場合もあります。
遺言書に主要な土地建物だけが記載され、私道持分が漏れているケースは実務上珍しくありません。
この場合、私道持分を誰が取得するのか、遺言の解釈で含まれるのか、遺産分割協議が必要なのかを確認する必要があります。
不動産売却では、土地建物だけでなく、道路持分や共有持分の有無が買主の利用に大きく影響します。
遺言書の記載と登記簿、公図、測量図、建物図面を照合し、売却対象に漏れがないか確認することが大切です。
売却代金を誰が受け取るのか
遺言書がある不動産売却では、売却代金の帰属も重要です。
不動産を特定の相続人が取得する遺言であれば、相続登記後にその相続人が売却し、売却代金もその相続人が受け取るのが基本です。
一方で、遺言書に「不動産を売却して、その代金を相続人で分配する」と書かれている場合は、売却代金は遺言の内容に従って分配されます。
この場合、売却代金を一時的に誰の口座で受けるのか。
仲介手数料、測量費、解体費、残置物撤去費、登記費用、譲渡所得税などを誰が負担するのか。
分配前に控除する費用の範囲はどこまでか。
こうした点を事前に整理しておく必要があります。
特に、売却代金を相続人間で分ける場合は、口頭で済ませず、計算書や合意書を残しておくことが望ましいです。
後から「そんな費用を引くとは聞いていない」「もっと高く売れたはずだ」と言われることを防ぐためです。
共有名義になる場合の注意点
遺言書によって、不動産を複数人で取得する内容になっている場合があります。
例えば、「長男と長女に各2分の1ずつ相続させる」という内容です。
この場合、相続登記後は長男と長女の共有名義になります。
共有名義の不動産を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。
一人でも売却に反対すると、不動産全体を売却することはできません。
また、売買契約書への署名押印、本人確認、印鑑証明書、決済当日の出席または代理手続きなど、共有者全員分の調整が必要になります。
共有者のうち一人が遠方に住んでいる。
高齢で外出が難しい。
認知症の疑いがある。
連絡が取れない。
売却価格について意見が合わない。
このような事情があると、売却までに時間がかかります。
遺言書によって共有状態が生じる場合は、売却方針を早めに共有者間で確認しておくことが重要です。
認知症・判断能力の問題にも注意する
遺言書がある相続不動産では、遺言者本人の判断能力だけでなく、現在の相続人や共有者の判断能力も問題になります。
例えば、遺言書により母と子が共有で不動産を取得したが、母が認知症で売却意思を確認できない場合、そのまま売買契約を締結することはできません。
この場合、成年後見制度の利用が必要になる可能性があります。
ただし、成年後見人が選任されれば必ず売却できるというわけではありません。
居住用不動産の場合には、家庭裁判所の許可が必要になることもあります。
また、後見制度を利用すると、売却後も後見が継続する点にも注意が必要です。
相続人や共有者に判断能力の不安がある場合は、売却活動を始める前に確認しておくべきです。
税金の確認も欠かせない
遺言書がある不動産を売却する場合、税金の確認も重要です。
主に確認すべき税金は、相続税と譲渡所得税です。
相続税がかかる可能性がある場合、申告期限は原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
不動産を売却して納税資金に充てる場合は、売却スケジュールと申告期限を逆算する必要があります。
また、相続した不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかる可能性があります。
取得費が不明な古い不動産では、売却価格の5%を概算取得費とするケースもあり、想定以上に税負担が出ることがあります。
さらに、相続税を支払った人が一定期間内に相続財産を売却する場合、相続税額の取得費加算の特例を使える可能性があります。
空き家の3,000万円特別控除が使える可能性があるケースもあります。
ただし、これらの特例は要件が細かく、遺言書の内容、取得者、居住状況、建物の状態、売却時期などによって適用可否が変わります。
不動産会社だけで判断せず、税理士に確認することが重要です。
売却活動を始める前に準備すべき書類
遺言書がある不動産売却では、通常の売却よりも確認書類が多くなります。
主な書類は次のとおりです。
遺言書。
検認済証明書。
遺言書情報証明書。
被相続人の戸籍関係書類。
相続人の戸籍関係書類。
被相続人の住民票除票または戸籍附票。
不動産の登記事項証明書。
固定資産税納税通知書。
名寄帳。
権利証または登記識別情報。
遺言執行者の就任承諾書や印鑑証明書。
相続登記に必要な書類。
測量図、公図、建物図面。
マンションの場合は管理規約、総会議事録、重要事項調査報告書。
実務では、最初からすべて揃っていなくても相談は可能です。
ただし、売買契約に進む前には、権利関係と登記手続きに必要な書類を整えておく必要があります。
特に、遺言書と登記簿の内容が一致しない場合や、相続人関係が複雑な場合は、早めに司法書士へ確認することをおすすめします。
売却を急ぐ場合ほど専門家連携が重要
相続不動産の売却では、「早く売りたい」という希望が出ることがあります。
固定資産税がかかる。
空き家の管理が大変。
相続税の納税資金が必要。
建物が老朽化している。
近隣に迷惑をかけたくない。
このような事情がある場合、売却を急ぐ気持ちは当然です。
しかし、遺言書がある不動産ほど、最初の確認を省略してはいけません。
遺言書の有効性。
相続登記の可否。
売主の確定。
遺言執行者の権限。
相続人間の紛争可能性。
税務上の特例。
これらを確認しないまま買主を見つけてしまうと、契約直前や決済直前に問題が発覚することがあります。
買主に迷惑をかけるだけでなく、売主側の信用にも関わります。
不動産会社、司法書士、税理士、必要に応じて弁護士が連携し、売却の入口で権利関係を整理することが重要です。
不動産会社に相談する際に伝えるべきこと
遺言書がある不動産を売却する場合、不動産会社へ相談する際には、できるだけ早い段階で「遺言書がある」と伝えるべきです。
遺言書の存在を後から伝えると、査定や売却方針、売主確認、契約準備をやり直すことになる場合があります。
相談時には、次の点を伝えるとスムーズです。
遺言書の種類。
遺言書の作成日。
遺言執行者の有無。
不動産を取得する人。
売却代金を分ける予定があるか。
相続人間で争いがあるか。
相続登記が済んでいるか。
検認が必要か、または済んでいるか。
相続税申告の予定があるか。
売却を急ぐ理由。
これらを最初に共有することで、不動産会社も適切な専門家と連携しやすくなります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 遺言書があれば、相続人全員の同意なしで売却できますか。
遺言書の内容によります。
不動産を取得する人が明確に決まっており、その人が相続登記をして売主になる場合は、他の相続人全員の同意が不要なケースもあります。
ただし、遺言書の内容が曖昧な場合、遺留分や遺言無効の争いがある場合、共有名義になる場合などは慎重な確認が必要です。
Q2. 自筆証書遺言が見つかったら、すぐ開封してもいいですか。
封印のある自筆証書遺言を勝手に開封することは避けるべきです。
原則として、家庭裁判所で検認手続きを行う必要があります。
ただし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は、検認不要です。
Q3. 遺言書があっても相続登記は必要ですか。
原則として必要です。
亡くなった方の名義のままでは、通常、買主へ所有権移転登記をすることができません。
遺言書に基づいて取得者へ名義変更を行い、その後に売却する流れが基本です。
Q4. 遺言執行者がいれば、その人だけで売却できますか。
必ずしもそうとは限りません。
遺言書に不動産を売却して分配する内容が明確に書かれている場合は、遺言執行者が売却に関与することがあります。
一方で、特定の相続人に不動産を相続させる内容であれば、その相続人が登記後に売主となるケースもあります。
遺言執行者の権限は、遺言の内容により判断する必要があります。
Q5. 他の相続人から遺留分を請求されそうでも売却できますか。
法律上売却できるケースはあります。
ただし、売却代金から遺留分への対応が必要になる場合があります。
売却後に相続人間で争いになる可能性があるため、事前に弁護士や税理士へ相談することをおすすめします。
Q6. 遺言書に私道持分が書かれていない場合はどうなりますか。
私道持分が遺言の対象に含まれるかどうかは、遺言書の内容や不動産の利用状況によって判断が必要です。
売却対象に私道持分が漏れると、買主の通行や再建築に影響する場合があります。
登記簿、公図、固定資産資料を確認し、司法書士と連携して整理することが重要です。
まとめ
遺言書がある不動産売却では、まず遺言書の種類、検認の要否、内容の明確性を確認することが重要です。
そのうえで、誰が不動産を取得するのか、誰が売主になるのか、遺言執行者がどこまで関与できるのかを整理する必要があります。
遺言書があるからといって、すぐに売却できるとは限りません。
相続登記、遺留分、共有名義、税金、他の相続人との関係など、確認すべきことは多くあります。
特に不動産は高額で、登記や権利関係が明確でなければ安全に取引できません。
売却活動を始める前に、遺言書と登記簿を確認し、司法書士、税理士、必要に応じて弁護士と連携しながら進めることが大切です。
八王子市周辺で、遺言書がある不動産の売却を検討されている方は、相続手続きと不動産売却の両面から、早めに全体像を整理することをおすすめします。
👉 無料ご相談はこちらから
https://cocoro-estate.com/contact
👉 お電話でのお問い合わせもお気軽にどうぞ。
0120-213-156
👉 LINEでの気軽なご相談も可能です。
対面させて頂いたお客様のみ、ご希望の方はLINEでやり取りをさせて頂きます。
八王子で売るならcocoro不動産と思って頂ける様、誠心誠意お手伝いします。
★無料相談受付中。
本ブログ監修者プロフィール

株式会社cocoro不動産
代表取締役 柴田 祐介
宅地建物取引士。
二級建築士。
2級FP技能士。
相続アドバイザー二級。
八王子市を中心に、不動産売却、相続不動産、空き家、土地、一戸建て、マンションの売却相談に対応。
不動産の価格だけでなく、権利関係、建築上の制限、相続手続き、売却後のトラブル防止まで含めたご提案を大切にしています。