八王子不動産売買専門の株式会社cocoro不動産の柴田のブログです。

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空き家の管理が大変になったときの相談先

親から相続した実家、住み替え後に使わなくなった家、施設入所や長期入院によって空いた家など、空き家になる理由はさまざまです。

最初のうちは「たまに見に行けば大丈夫」と考えていても、草木の繁茂、雨漏り、外壁や屋根の劣化、郵便物の放置、近隣からの苦情などが重なると、所有者だけで管理を続けることが難しくなっていきます。

空き家の管理が大変になったときに大切なのは、単に草刈りや清掃を依頼することではありません。

その空き家を今後どうするのか、つまり「維持するのか」「貸すのか」「売るのか」「解体するのか」「相続関係を整理するのか」を早い段階で判断することです。

この記事では、空き家の管理が大変になったときに、どこへ相談すべきかを専門的な視点から解説します。

空き家は「管理の問題」ではなく「方針決定の問題」

空き家の相談というと、まず管理会社や草刈り業者を思い浮かべる方も多いと思います。

もちろん、定期巡回、通風、通水、草刈り、郵便物の確認、防犯確認などの管理業務は重要です。

しかし、管理はあくまで一時的な対応です。

空き家を今後も長期間使う予定がないのであれば、管理費、固定資産税、火災保険料、修繕費、近隣対応の負担が継続します。

特に建物の老朽化が進んでいる場合、管理を続けるほど費用が増え、売却や活用の選択肢が狭くなることがあります。

空き家の管理が大変だと感じた時点で、「管理を続けるための相談」だけでなく、「出口を決めるための相談」をすることが重要です。

相談先1:まずは不動産会社に相談する

空き家の今後を考えるうえで、最初に相談しやすいのは不動産会社です。

ただし、単に査定価格を出すだけの会社ではなく、空き家、相続、不動産売却、建物の状態、道路、境界、再建築の可否などを総合的に確認できる会社へ相談することが大切です。

空き家の場合、通常の居住中の不動産売却とは違い、確認すべき点が多くなります。

たとえば、建物を残して売るべきか、更地にすべきか、再建築できる土地なのか、前面道路は建築基準法上の道路なのか、境界は明確か、越境物はないか、残置物はどこまで片付けるべきか、建物に雨漏りや傾きがないかなどです。

これらを確認せずに売却活動を始めると、買主とのトラブル、契約不適合責任、解体費用の負担、境界トラブル、価格交渉などにつながる可能性があります。

不動産会社に相談するメリットは、管理、売却、賃貸、解体、買取などの選択肢を比較しやすいことです。

「管理を続けた場合の負担」と「売却した場合の手残り」を比較できるため、現実的な判断がしやすくなります。

相談先2:市区町村の空き家相談窓口

空き家の管理状態が悪化している場合や、近隣から苦情が出ている場合は、市区町村の空き家相談窓口も相談先になります。

自治体では、空き家に関する相談窓口、専門家相談、除却補助、利活用支援、空き家バンク、耐震関連制度などを設けている場合があります。

八王子市でも、空き家に関する相談窓口や支援制度が用意されています。

特に「住まいの活用相談所(住まカツ)」のようなワンストップ相談窓口では、空き家の流通、管理、継承などについて相談できる体制が整えられています。

行政の窓口は、補助金や制度の確認に向いています。

一方で、個別不動産の価格査定、売却戦略、買主探し、契約条件の整理までは民間の不動産会社が担うことが多いため、行政相談と不動産会社への相談を併用するのが現実的です。

相談先3:司法書士

空き家が相続により発生している場合、司法書士への相談が必要になることがあります。

特に、亡くなった親名義のままになっている不動産、相続人が複数いる不動産、遺産分割協議が終わっていない不動産では、売却前に相続登記や権利関係の整理が必要です。

令和6年4月1日から相続登記は義務化されています。

相続した不動産を売却する場合、原則として、亡くなった方の名義のまま買主へ所有権を移転することはできません。

そのため、相続人への名義変更を行ったうえで売却する流れになります。

相続人の人数が多い場合、疎遠な相続人がいる場合、認知症の相続人がいる場合、遺言書がある場合などは、早めに司法書士へ相談することが重要です。

相続登記が未了のまま放置すると、次の相続が発生して関係者が増え、売却や管理の判断がさらに難しくなることがあります。

相談先4:税理士

空き家を売却する場合、税金の確認も欠かせません。

特に、相続した空き家を売却する場合には、譲渡所得税、取得費、譲渡費用、相続税の取得費加算、空き家の3,000万円特別控除などを確認する必要があります。

「売却価格がそのまま手元に残る」と考えていると、後から税金の負担に驚くことがあります。

また、空き家を解体して土地として売る場合、解体費用が譲渡費用として扱えるか、いつ売却するか、どの特例が使えるかなど、事前の整理が重要です。

税金は売却後に考えるのではなく、売却前に確認しておくべき項目です。

特に相続不動産の場合、取得費が不明なケースや、昔の売買契約書が見つからないケースもあります。

そのような場合は、売却前に税理士へ相談し、概算の税負担を把握しておくと安心です。

相談先5:土地家屋調査士・測量会社

空き家を売却する際、土地の境界が不明確な場合は、土地家屋調査士や測量会社への相談が必要です。

古い住宅地では、境界標が見当たらない、隣地とのブロック塀が越境している、道路との境界が不明確、登記簿面積と実測面積が違うといった問題が珍しくありません。

境界があいまいなまま売却すると、買主が住宅ローンを利用しにくくなったり、建築計画に支障が出たり、引渡し後に隣地トラブルが発生したりする可能性があります。

特に、土地として売却する場合や、建物解体後に売却する場合は、境界確認の重要性が高くなります。

測量には時間がかかることもあるため、売却を急ぐ場合ほど早めに確認しておく必要があります。

相談先6:解体業者

建物の老朽化が著しい場合や、雨漏り、傾き、シロアリ被害、外壁の剥落などがある場合は、解体業者への相談も選択肢になります。

ただし、解体は慎重に判断すべきです。

建物を解体すると、土地は見た目としてはすっきりしますが、固定資産税等の住宅用地特例が外れることで、税負担が増える可能性があります。

また、再建築不可の土地や道路条件に問題がある土地では、建物を壊した後に新たな建物を建てられない場合があります。

そのため、解体業者へ直接依頼する前に、不動産会社や行政窓口に相談し、「解体してから売るべきか」「古家付き土地として売るべきか」「解体費用を価格に反映して売るべきか」を検討することが大切です。

解体は一度行うと元に戻せません。

費用だけでなく、売却価格、税金、再建築の可否、買主の需要まで含めて判断する必要があります。

管理不全空家・特定空家になる前に相談すべき理由

空き家を放置すると、行政から管理状態について指導や勧告を受ける可能性があります。

特に問題となるのが、管理不全空家等や特定空家等です。

管理不全空家等とは、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家をいいます。

特定空家等とは、倒壊等の危険、衛生上有害、景観の悪化、周辺生活環境への悪影響などが認められる空き家です。

これらに該当し、勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例の対象から外れる可能性があります。

また、状態が悪化すれば、最終的に行政代執行によって解体等が行われ、その費用を所有者が負担する可能性もあります。

空き家は「まだ大丈夫」と思っているうちに劣化が進みます。

屋根や外壁の破損、雨樋の外れ、庭木の越境、害虫や害獣、ゴミの投棄、郵便物の滞留などが見られる場合は、早めに専門家へ相談すべき段階です。

空き家管理を続ける場合の注意点

すぐに売却や解体をしない場合でも、空き家管理には最低限のポイントがあります。

建物の外観確認、屋根や外壁の破損確認、室内の通風、通水、雨漏り確認、排水トラップの封水確認、庭木の剪定、草刈り、郵便物の回収、防犯確認、近隣への配慮などです。

特に遠方に住んでいる場合、所有者自身が定期的に確認することは現実的に難しくなります。

その場合は、空き家管理サービスを利用する方法もあります。

ただし、管理サービスは根本的な解決ではありません。

将来的に使う予定がない場合は、管理を続ける期間を決めたうえで、売却や活用の判断を並行して進めることが重要です。

売却を検討した方がよいケース

次のような場合は、管理を続けるよりも売却を検討した方がよい可能性があります。

今後住む予定がない場合。

相続人の誰も利用しない場合。

管理のために定期的に通うことが難しい場合。

固定資産税や火災保険料の負担が重い場合。

建物の老朽化が進んでいる場合。

近隣から草木や建物のことで苦情が出ている場合。

相続人同士で共有状態になっている場合。

解体費用や修繕費用をかけたくない場合。

空き家は、時間が経つほど建物の価値が下がり、管理リスクが増えやすい不動産です。

「いつか使うかもしれない」という理由だけで保有を続けると、結果的に費用と手間だけが増えることがあります。

不動産会社に相談するときに準備しておきたいもの

空き家の相談をする際は、次の資料があると話がスムーズです。

固定資産税納税通知書。

登記識別情報または権利証。

建物図面や建築確認資料。

購入時の売買契約書。

相続関係がわかる資料。

測量図や境界確認書。

リフォーム履歴がわかる資料。

火災保険の内容。

ただし、資料がすべて揃っていなくても相談は可能です。

特に相続した実家では、書類が見つからないことも珍しくありません。

まずは所在地、所有者名義、建物の状況、空き家になった時期、今後の希望を整理して相談することが大切です。

八王子で空き家の管理に困った場合の考え方

八王子市は市街地、住宅地、丘陵地、山林に近い地域、古い分譲地など、エリアによって不動産の条件が大きく異なります。

同じ空き家でも、駅に近い土地、道路条件の良い土地、再建築しやすい土地であれば売却しやすい一方、接道条件、傾斜地、擁壁、境界、築年数、残置物、建物劣化などによっては、売却前の整理が必要になることがあります。

八王子の空き家では、単に「古い家だから売れない」と判断するのではなく、土地としての価値、建物を残すメリット、解体の必要性、買主層、道路条件、法的制限を総合的に見ることが大切です。

地元の事情に詳しい不動産会社であれば、管理を続けるべきか、売却を進めるべきか、解体すべきか、現実的な選択肢を整理しやすくなります。

まとめ

空き家の管理が大変になったときは、単に掃除や草刈りを依頼するだけではなく、今後の方針を決めることが重要です。

相談先としては、不動産会社、市区町村の相談窓口、司法書士、税理士、土地家屋調査士、解体業者、空き家管理会社などがあります。

ただし、最初から個別の専門家へばらばらに相談すると、全体像が見えにくくなることがあります。

まずは不動産会社や自治体の相談窓口で、管理、売却、活用、解体、相続、税金の論点を整理し、そのうえで必要な専門家につなぐ流れが現実的です。

空き家は、放置するほど費用とリスクが増えやすい不動産です。

管理が大変だと感じた時点が、今後の方針を見直すタイミングです。

早めに相談することで、近隣トラブル、建物劣化、税負担、相続人間の問題を防ぎやすくなります。

よくある質問(Q&A)

Q. 空き家の管理が大変になったら、最初にどこへ相談すべきですか?

A. まずは不動産会社または市区町村の空き家相談窓口へ相談するのがおすすめです。売却、管理、解体、活用、相続のどこに問題があるのかを整理しやすくなります。

Q. 空き家管理会社に依頼すれば安心ですか?

A. 定期巡回や草刈り、防犯確認などには有効です。ただし、将来使う予定がない空き家の場合、管理を続けるだけでは根本的な解決にならないことがあります。売却や活用も並行して検討しましょう。

Q. 空き家を放置すると固定資産税は上がりますか?

A. 管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例の対象から外れる可能性があります。結果として税負担が増える場合があるため、放置は避けるべきです。

Q. 相続登記をしていない空き家でも売却できますか?

A. 売却を進めるには、原則として相続登記を行い、相続人名義にする必要があります。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議や必要書類の確認が必要です。

Q. 古い空き家は解体してから売った方がよいですか?

A. 一概には言えません。解体すると見た目は良くなりますが、固定資産税の負担や再建築の可否に影響することがあります。解体前に、不動産会社へ相談して売却方法を比較することが大切です。

Q. 遠方に住んでいて八王子の空き家を見に行けません。どうすればよいですか?

A. 空き家管理サービスを利用する方法があります。ただし、長期的に使う予定がない場合は、管理を続けるだけでなく、売却や解体も含めて早めに方針を決めることをおすすめします。

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本ブログ監修者

★柴田祐介(しばた ゆうすけ)

1981年生まれ。群馬県出身。大学卒業後、異業種を経て、その後不動産会社で八王子・町田・川崎にて16年間勤務。(在職期間中の2年間で、建築・デザイン専門学校にて認定単位取得後卒業)

〖保有資格〗

宅地建物取引士、二級建築士、2級FP技能士、相続アドバイザー二級、秘書検定2級、既存住宅状況調査技術者。