八王子不動産売買専門の株式会社cocoro不動産の柴田のブログです。

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確定測量図と地積測量図って?

土地の売買や相続、建物の建築を検討していると、「確定測量図」と「地積測量図」という言葉を目にすることがあります。

どちらも土地の形状や境界、面積に関係する図面ですが、その目的や作成方法、法務局への備付けの有無などは大きく異なります。

特に不動産売買では、「地積測量図があるから境界は確定している」と判断してしまうと、後から境界や面積について問題になることがあります。

今回は、確定測量図と地積測量図の違いについて、不動産売買の実務も含めて詳しく解説します。

確定測量図とは?

「確定測量図」とは、一般的に、土地家屋調査士などが現地を測量し、隣接土地所有者や道路管理者などの関係者と境界について立会い・確認を行ったうえで作成される測量図をいいます。

東京土地家屋調査士会でも、確定測量について、隣接する民有地だけではなく道路部分との境界についても確認し、隣接所有者や道路管理者との立会い・協議を経て、境界確認書を取り交わす手続きが紹介されています。

参考:東京土地家屋調査士会
https://www.tokyo-chousashi.or.jp/consult/flow/

重要なのは、単に土地を測っただけでは「確定測量」とはいえないという点です。

現地に境界標があるか、公図や過去の地積測量図と整合しているか、隣接地所有者との認識に相違がないかなどを調査したうえで、関係者との立会い・確認を行います。

したがって、確定測量図だけではなく、「境界確認書」「筆界確認書」などの確認資料が一緒に保存されているかどうかも重要です。

「確定測量図」という名称は法律上の図面名称ではない

ここは少し専門的ですが、非常に重要です。

「地積測量図」は不動産登記規則に定められた登記上の図面ですが、「確定測量図」という名称そのものについて、不動産登記法上の統一された様式が定められているわけではありません。

つまり、図面のタイトルに「確定測量図」と書いてあるだけで判断するのではなく、

誰が作成したのか。

どの土地との境界確認を行ったのか。

道路との境界確認は済んでいるのか。

境界確認書が残っているのか。

境界標が現地に設置されているのか。

といった内容まで確認することが大切です。

地積測量図とは?

一方、「地積測量図」は、土地の表題登記、分筆登記、地積更正登記など一定の登記手続きに関連して法務局へ提出され、登記所に備え付けられる図面です。

不動産登記規則第77条では、地積測量図に記録すべき事項について規定されています。

参考:e-Gov法令検索「不動産登記規則」
https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018/

現在では、法務局に備え付けられている地積測量図について、図面証明書として交付請求することができます。

参考:法務局「登記事項証明書、地図・図面証明書を取得したい方」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/shomeisho_000001.html

地積測量図には、その土地の形状、辺長、地積、境界点、座標値など、土地の位置や形状を確認するための重要な情報が記載されています。

ただし、すべての土地に地積測量図が存在するわけではありません。

長期間にわたって分筆や地積更正などが行われていない土地では、法務局に地積測量図が備え付けられていないケースもあります。

最大の違いは「隣地との境界確認」

不動産売買で最も重要なのが、この違いです。

確定測量では、原則として現地を測量し、隣接地所有者や道路管理者等との立会い・確認を進めます。

一方、法務局に地積測量図が存在するからといって、現在の隣接地所有者との境界確認が完了していることを当然に意味するものではありません。

実際、法務局の資料でも、地積測量図に記載された境界標が現地に存在する場合であっても、境界確認のための立会いが必要となるケースが示されています。

つまり、

「地積測量図がある=確定測量済み」ではありません。

これは土地売買を行ううえで非常に重要なポイントです。

地積測量図は作成年代も確認する

地積測量図を確認するときは、「あるか・ないか」だけではなく、いつ作成された図面なのかも確認する必要があります。

地積測量図の記載方法や測量技術、座標情報などは時代とともに変化しているため、作成年代や作成された経緯によって、現地境界の復元性には違いがあります。

比較的新しい地積測量図で、境界点の座標が記録され、現地の境界標とも整合している土地であれば、境界位置を確認するための非常に有力な資料になります。

一方、古い地積測量図では、現在の測量結果と辺長や面積が一致しないこともあります。

したがって、古い地積測量図をそのまま現在の土地境界として扱うのではなく、公図、登記記録、過去の測量資料、境界標、現地の占有状況などを総合的に調査する必要があります。

「筆界」と「所有権界」の違いにも注意

さらに専門的には、土地の境界には「筆界」と「所有権界」という考え方があります。

筆界とは、土地が登記された際に、一筆の土地と隣接する土地を区画するために定められた公法上の境界です。

一方、所有権界とは、所有権が及ぶ範囲を示す私法上の境界です。

通常は両者が一致していますが、必ずしも一致するとは限りません。

また、筆界は土地所有者同士の合意だけで自由に移動させられるものではありません。

法務省も、筆界と所有権界は異なる概念であり、筆界特定制度は所有権の範囲を決める制度ではないことを明確にしています。

参考:法務省「筆界特定制度」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji104.html

そのため、「隣同士でここを境界にしましょうと合意したから、登記上の筆界も変わる」という単純な話ではありません。

境界問題が複雑な土地では、土地家屋調査士など専門家による慎重な調査が必要です。

確定測量図があれば地積測量図はいらない?

これも役割が異なるため、どちらか一方があれば他方が不要という関係ではありません。

確定測量図は、現在の土地について関係者との境界確認を行った結果を把握するうえで重要な資料です。

地積測量図は、法務局に保管された登記資料として、その土地について過去にどのような測量・登記が行われたのかを調査する重要な資料です。

土地家屋調査士が確定測量を行う際にも、登記記録、公図、地積測量図などの資料を調査し、それらと現地測量結果を照合しながら境界を検討していきます。

したがって実務では、両者を比較して確認することが重要になります。

土地売却では確定測量が必ず必要?

土地を売却するからといって、法律上すべての売買で確定測量を行わなければならないわけではありません。

既存の境界標や測量資料が十分に整っている場合や、売主・買主が登記簿面積を基準として取引する場合など、確定測量を行わずに取引することもあります。

一方、土地を分筆して売却する場合や、境界標が不足している場合、登記面積と実測面積に差異が疑われる場合、隣地との境界が不明確な場合などでは、確定測量の必要性が高くなります。

特に土地の買主が建物を建築する場合、土地の有効面積や間口、道路との境界位置などは建築計画にも影響します。

そのため、単に「登記簿上○○㎡あります」という確認だけではなく、現地でどこからどこまでが売買対象なのかを明確にしておくことが重要です。

売買契約では「公簿売買」と「実測売買」も確認

土地の売買では、登記簿に記録された地積を基準に売買する「公簿売買」と、実際に測量した面積を基準にする「実測売買」があります。

例えば登記簿には150㎡と記録されていても、実際に測量すると148㎡や152㎡となることがあります。

公簿売買では、原則として登記簿面積を前提として売買価格を決め、後から実測面積との差について精算を行わない契約方法があります。

一方、実測売買では、測量によって確定した面積を基準として最終的な売買代金を精算することがあります。

どちらの方法を採用するかは売買契約の内容によって異なるため、契約書にどのように規定されているのかを確認することが重要です。

「測量図があります」だけでは判断しない

土地を売却するときに売主様から、

「昔の測量図があります」

「法務局に地積測量図があります」

「境界杭もあります」

というお話をいただくことがあります。

しかし、不動産会社として確認しなければならないのは、その一歩先です。

その図面が確定測量図なのか。

単なる現況測量図なのか。

地積測量図なのか。

隣接所有者との境界確認書があるのか。

道路境界も確認されているのか。

図面上の境界点と現地の境界標が一致しているのか。

ここまで確認して、初めてその測量資料が売買にどの程度利用できるのかを判断できます。

よくある質問

Q.地積測量図が法務局にあれば、確定測量は不要ですか?

A.必ずしもそうではありません。

地積測量図が存在しても、現在の隣接地所有者との境界確認が済んでいることを意味するわけではありません。

図面の作成年代、座標情報、現地境界標の有無、売買条件などを確認して判断します。

Q.確定測量図があれば境界トラブルは絶対に起きませんか?

A.絶対とはいえません。

確定測量図や境界確認書は境界を確認するうえで非常に重要な資料ですが、筆界そのものについて争いが生じる可能性まで完全になくなるわけではありません。

筆界について争いがある場合には、法務局の筆界特定制度や裁判などによって解決を図る場合があります。

Q.現況測量図と確定測量図は違いますか?

A.異なります。

現況測量は、現地に存在する塀、フェンス、境界標などを基に土地の現況を測量したものです。

原則として隣接地所有者全員との境界確認まで行ったことを意味しません。

そのため、不動産売買では「測量図」という名称だけではなく、その測量がどのような手続きで行われたものなのかを確認する必要があります。

Q.地積測量図はどこで取得できますか?

A.法務局で取得できます。

現在は法務局の窓口だけでなく、オンラインによる図面証明書の交付請求も可能です。

まとめ

「確定測量図」と「地積測量図」は、似ているようで役割が異なります。

確定測量図は、現地測量と隣接地所有者・道路管理者等との境界確認を経て作成される、売買実務上非常に重要な資料です。

一方、地積測量図は、不動産登記に関連して法務局に備え付けられる公的な図面資料です。

そして最も注意したいのが、

「地積測量図がある=現在の境界がすべて確定している」ではない

ということです。

土地売却では、登記簿、公図、地積測量図、確定測量図、境界確認書、現地の境界標などを個別に見るのではなく、それぞれが整合しているかを確認することが重要です。

境界は、土地の面積だけでなく、建築計画、越境、分筆、将来の売却などにも関係する重要な事項です。

土地を売却する際には、「測量図があるから大丈夫」と判断するのではなく、その図面が何を証明する資料なのかまで確認したうえで取引を進めることをおすすめします。

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【本ブログ監修者】

株式会社cocoro不動産 代表取締役

★柴田祐介(しばた ゆうすけ) 1981年生まれ

大手不動産会社にて約17年間、不動産売買業務に従事。

〖保有資格〗
宅地建物取引士/二級建築士/2級FP技能士/秘書検定2級/既存住宅状況調査技術者/相続アドバイザー2級

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