古い13mmの水道管は住宅の建替えで問題になる?
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中古住宅や古家付き土地を調査していると、
「水道13mm」
という表示を目にすることがあります。
現在の戸建住宅では20mmの給水管・水道メーターが使われているケースも多いため、
「13mmでは建替えできないのでは?」
「道路から水道管を全部引き直さなければならない?」
「売却前に工事が必要?」
と心配される方も少なくありません。
結論からいうと、13mmだから住宅の建替えができない、というわけではありません。
ただし、建替え後の住宅の規模や水栓数、給湯設備、給水圧、既存給水管の口径・材質・経路などによっては、13mmのままでは必要な給水能力を確保できず、20mmなどへの増径工事が必要になることがあります。
特に古い住宅を売却する場合には、「水道13mm」という情報だけではなく、どこからどこまでが13mmなのかを確認することが重要です。
■そもそも「水道13mm」とは何を意味する?
不動産調査で「13mm」と表現されるものには、大きく分けて次の2つがあります。
・水道メーターの口径が13mm
・道路から宅地へ引き込まれている給水管の口径が13mm
この2つは必ずしも同じではありません。
例えば、
道路の配水管
↓
20mmの給水管で敷地内へ引込み
↓
13mmの水道メーター
↓
建物内配管
という住宅も考えられます。
逆に、道路からの引込管そのものが13mmという古い住宅もあります。
したがって、
「メーターが13mmだから道路から13mm」
とは限りません。
住宅の建替えや土地売却では、水道メーターの口径と給水管の引込口径を分けて調査する必要があります。
東京都水道局の水道管管理図では、配水管の位置・口径だけでなく、給水管の位置・口径や水道メーターの位置などを確認できる仕組みがあります。
■なぜ昔の住宅には13mmが多いのか?
昔の住宅は、現在の住宅と比較すると同時に大量の水を使う設備が少ない傾向がありました。
例えば、
・台所
・浴室
・洗面所
・トイレ
・屋外水栓
程度であれば、住宅全体の水使用量も比較的小さくなります。
しかし現在では、
・1階、2階それぞれにトイレ
・大型ユニットバス
・シャワー
・食器洗い乾燥機
・洗濯機
・複数の洗面台
・タッチレス水栓
・屋外散水栓
など、住宅内の給水設備が増えています。
問題になるのは「1日に何リットル使うか」だけではありません。
給水設備の設計では、複数の水栓を同時に使用したときに必要な瞬間的な流量を確保できるかが重要になります。
■13mmと20mmでは何が違う?
給水管は、口径が大きいほど一般的に一度に流すことのできる水量を確保しやすくなります。
ただし、
13mmなら必ず水量不足になる
という意味ではありません。
給水能力は、
・給水管口径
・給水管の長さ
・配管経路
・高低差
・道路側配水管の水圧
・管内の摩擦損失
・水栓数
・同時使用する水量
・建物の階数
などによって変わります。
つまり、給水管の口径だけでは判断できません。
東京都水道局でも、給水方式によっては水理計算を前提として給水可能性を判断する仕組みになっています。
■13mmでも建替えできるケースはある
13mmの給水設備が残っているからといって、必ず20mmへ変更しなければ建替えできないとは限りません。
東京都水道局では現在も13mm・20mm・25mmを主に家庭で使用される小口径として扱っています。
そのため、
「13mm=現在は使用できない規格」
ではありません。
例えば、
・建物規模が比較的小さい
・水栓数が少ない
・道路側の水圧が十分ある
・給水管が短い
・必要流量を確保できる
などの条件であれば、13mmの設備を利用できる可能性があります。
ただし、最終的には建築会社や指定給水装置工事事業者が給水計画を確認する必要があります。
■建替えをきっかけに20mmへ変更するケース
一方で、建替えでは水回り設備の数が増えることが多いため、20mmへの口径変更を検討するケースがあります。
例えば、
1階
・キッチン
・洗面
・トイレ
・浴室
2階
・洗面
・トイレ
屋外
・散水栓
といった住宅です。
朝の時間帯などに、
シャワーを使いながら、
キッチンで水を使い、
さらにトイレを流す
という状況も考えられます。
13mmの給水設備では、条件によっては蛇口を複数使用した際に流量や水圧に影響が出る可能性があります。
そのため新築時には、予定している住宅の設備に応じて必要な給水量を計算し、適切な口径を決定します。
■「メーターだけ20mmにすればよい」とは限らない
ここは不動産売買でも非常に重要です。
既存の水道メーターが13mmの場合、
「20mmのメーターに交換すれば解決する」
と考えてしまうことがあります。
しかし、道路から宅地までの給水管自体が13mmであれば、メーターだけ20mmにしても十分な給水能力を確保できない場合があります。
東京都水道局も、メーター口径を変更する場合には、変更後の口径に適した配管へ取り替える必要がある場合があると案内しています。
つまり確認すべきなのは、
①道路側配水管の口径
②配水管からの分岐口径
③宅地への引込管口径
④水道メーター口径
⑤メーター以降の宅内配管
です。
■一番注意したいのは「道路を掘る工事」
敷地内だけで給水管の増径ができるのであれば、比較的工事範囲は限定されます。
しかし、
道路内の配水管
↓
13mmの給水管
↓
敷地
という状態で、配水管から20mmで取り出し直さなければならない場合には、道路部分の工事が必要になる可能性があります。
道路を掘削する場合には、
・道路掘削
・給水管工事
・舗装復旧
・交通誘導
・道路使用、道路占用等の手続
・既存給水管の撤去や処理
などが関係する場合があります。
工事費については、
前面道路の種類、
舗装状況、
配水管までの距離、
道路幅員、
配管経路、
既存管の状態
によって大きく変わります。
そのため、不動産査定の段階で安易に、
「20mmへの変更は数万円程度です」
などと決めつけるべきではありません。
■私道の場合はさらに確認事項が増える
古い住宅地では、前面道路が私道というケースもあります。
この場合、水道管の増径工事に伴って道路掘削が必要になると、
・私道所有者
・共有者
・道路使用に関する権利関係
・掘削承諾
・既存の共同給水管
などの確認が必要になることがあります。
特に注意したいのが連合給水管・共同給水管です。
複数の住宅が一本の給水管を利用している古い住宅地では、自分の敷地だけを見ても給水条件を判断できないことがあります。
この場合は、
道路側配水管からどのように分岐しているのか
まで調査する必要があります。
■古い給水管では「口径」だけでなく「管種」も確認する
建替え時には給水管の太さだけでなく、材質も重要です。
古い住宅では、現在一般的に使用される給水管とは異なる古い管種が残っている場合があります。
そのため、
「13mmだから交換する」
というより、
・口径
・管種
・施工時期
・劣化状況
・漏水リスク
・現在の施工基準との整合性
を総合的に確認します。
建物を新築するにもかかわらず、道路から建物までの重要な給水設備だけを古い状態で残すことが適切なのか、という点も検討材料になります。
■建替え前に必ず「水道管管理図」を確認したい
八王子市内で古い住宅や土地を売却する場合、私は水道についてもできる限り事前確認することが重要だと考えています。
確認したいのは、
・前面道路の配水管の位置
・配水管の口径
・給水管の引込位置
・給水管の口径
・水道メーターの位置
・メーター口径
・共同給水管かどうか
などです。
ただし、水道管管理図は非常に重要な資料ですが、図面だけですべてが確定するとは限りません。
古い住宅の場合には、過去の工事履歴や現況と図面に差異がある可能性も考えて調査します。
■売却するとき「13mm」は買主へ伝えた方がよい?
古家付き土地や建替え前提の住宅では、給水管口径は買主の建築計画に影響する可能性があります。
したがって、
「現況メーター13mm」
だけを伝えるのではなく、
・引込管口径
・メーター口径
・管理図上の状況
・増径の可能性
・建築時に指定工事事業者への確認が必要であること
などを整理して説明した方が、買主にとって判断しやすくなります。
特に避けたいのは、
「たぶんそのまま使えます」
「20mmに簡単に交換できます」
と根拠なく説明してしまうことです。
水道工事は建物の設計条件や道路状況によって内容が変わるため、最終的には給水装置工事の専門業者による確認が必要です。
■13mmだから土地の価値が大きく下がるわけではない
13mmの給水設備があるからといって、それだけで土地に大きな問題があるということでもありません。
重要なのは、
「建替え時にどのような工事が必要になる可能性があるか」を事前に把握しておくことです。
例えば、
「現況は13mmメーターですが、道路からは20mmで引き込まれています」
という土地と、
「道路の配水管から敷地まで13mmで引き込まれており、20mmへの増径には道路工事が必要になる可能性があります」
という土地では、買主側の受け止め方は大きく異なります。
同じ「13mm」でも内容は全く違うのです。
■八王子の古い住宅では水道・道路・境界をセットで調査する
八王子市内には、昭和40年代・50年代などに造成された住宅地も多くあります。
こうした住宅地の売却では、
・給水管
・下水管
・道路
・私道
・境界
・擁壁
・高低差
などが、建替え計画に影響する場合があります。
特に古家付き土地の場合、
「建物は古いから解体すれば問題ない」
と考えがちですが、実際には建物を解体した後も残る、
土地そのもののインフラ条件
が重要になります。
給水管もその一つです。
■まとめ|「13mm」だけでは判断しないことが重要
古い13mmの水道管があっても、住宅の建替えができないとは限りません。
一方で、建替え後の住宅規模や給水設備によっては20mmなどへの口径変更が必要になる可能性があります。
重要なのは、
「13mmか20mmか」
だけを見るのではなく、
道路側配水管→分岐→引込管→水道メーター→宅内配管
まで一連の給水経路を確認することです。
特に古い住宅や古家付き土地を売却するときは、買主が建築計画を立てた段階で初めて水道増径工事の必要性が分かるのではなく、できるだけ売却前に現況を整理しておくことが望ましいと考えます。
株式会社cocoro不動産では、建物だけではなく、道路・水道・境界・擁壁など、建替えに関係する土地条件についても確認しながら売却のお手伝いをしています。
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【本ブログ監修者】

★柴田祐介(しばた ゆうすけ)
株式会社cocoro不動産 代表取締役
1981年生まれ。
大手不動産会社にて、八王子・町田・新百合ヶ丘など多摩地区を中心に約17年間、不動産売買仲介業務に従事。
住宅・建築についても学び、建物だけでなく、土地・道路・擁壁・境界・インフラなどを含めた不動産調査を重視しています。
【保有資格】
宅地建物取引士、二級建築士、2級FP技能士、相続アドバイザー二級、秘書検定2級、既存住宅状況調査技術者