めじろ台の土地売却|造成地・擁壁・道路をどう確認する?
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八王子市めじろ台で土地を売却する際、確認しておきたい重要なポイントの一つが「造成地」「擁壁」「道路」です。
めじろ台は計画的に形成された住宅地で、道路が比較的整備され、整然とした街並みが形成されています。
その一方で、土地によっては道路との高低差があったり、敷地の周囲に擁壁が設けられていたり、盛土・切土によって造成されていたりします。
土地を売却するときには、
「昔からこの状態だから大丈夫だろう」
と判断するのではなく、
①土地がどのように造成されたのか
②擁壁にどのような許可・検査履歴があるのか
③接している道路が法律上どのような道路なのか
まで調査しておくことが大切です。
今回は、めじろ台の土地を売却するときに確認しておきたいポイントを、不動産実務の視点から詳しく解説します。
めじろ台では「造成された土地」という視点が重要
土地は大きく考えると、
・もともとの地盤をほぼそのまま利用している土地
・山や傾斜地を切って平らにした「切土」
・低い部分に土を入れて平らにした「盛土」
などがあります。
住宅地を大規模に造成する場合には、一つの区画の中でも切土部分と盛土部分が存在することがあります。
土地を売却するときに注意したいのは、現在土地が平らだからといって、もともと平坦だったとは限らないということです。
特に道路と敷地に高低差がある場合や、宅地の背面・側面に擁壁がある場合には、
・どちら側が盛土なのか
・造成時にどのような工事が行われたのか
・擁壁は造成時から存在するものなのか
といった点を確認する必要があります。
八王子市は現在、市内全域が盛土規制法の規制区域
2024年7月31日から、八王子市では市内全域が「宅地造成等工事規制区域」に指定されています。
現在は、いわゆる盛土規制法である「宅地造成及び特定盛土等規制法」により、一定規模以上の盛土・切土などについて許可が必要になります。
ただし、中古住宅や既存宅地の売却で特に重要なのは、現在の法律だけではありません。
めじろ台のような以前から存在する住宅地の場合には、
「造成された当時、どの法律に基づいて造成されたのか」
を確認する必要があります。
旧宅地造成等規制法の資料では、めじろ台一丁目・二丁目・三丁目は全域、四丁目については1~48番が旧宅地造成工事規制区域に含まれていました。
したがって、土地によっては造成当時の宅地造成許可や開発許可などの資料が残っていないか確認することが重要です。
「盛土だから売れない」ということではない
ここは誤解されやすいところです。
盛土であること自体が、土地の売却を難しくするわけではありません。
大切なのは、
「どのように造成され、安全性がどのように確認されている土地なのか」
という点です。
許可を受けて適切に造成され、完了検査等が行われている宅地であれば、その資料は購入者側にとって安心材料になります。
反対に、
・造成履歴が分からない
・擁壁の資料がない
・増し積みされた形跡がある
・後から擁壁を変更している
・擁壁に大きな亀裂や膨らみがある
といった場合には、さらに詳しい調査が必要になることがあります。
まず「開発登録簿」を確認する
造成住宅地を調査するときに重要な資料の一つが「開発登録簿」です。
八王子市では、都市計画法に基づく開発許可を受けた土地について、市役所の開発指導課で開発登録簿を閲覧することができます。
開発登録簿などから、
・開発区域
・土地利用計画
・道路配置
・造成計画
・擁壁等の位置
などを確認できる場合があります。
ただし、すべての土地について必ず開発登録簿が存在するわけではありません。
造成された時期や適用された法律によって、確認する資料や担当部署が異なることがあります。
そのため私は土地を調査するとき、
「現在の状態を見る」→「公的資料を調べる」→「現況と資料を照合する」
という順番が非常に重要だと考えています。
擁壁は「高さ」だけを見てはいけない
めじろ台の土地売却で特に注意したいのが擁壁です。
擁壁とは、道路や隣地との高低差がある場合に、土砂が崩れないよう支える構造物です。
代表的なものとして、
・鉄筋コンクリート擁壁
・間知石積み擁壁
・間知ブロック擁壁
などがあります。
擁壁を見るとき、多くの方が、
「高さが何メートルあるのか」
だけを気にされます。
しかし実務では、それだけでは足りません。
擁壁について確認したい7つのポイント
売却前には少なくとも、
- 擁壁の高さ
- 擁壁の構造
- 誰の土地にある擁壁なのか
- 許可・確認・検査等の記録があるか
- 亀裂・傾き・膨らみなどがないか
- 水抜き穴が機能しているか
- 擁壁が後から変更されていないか
を確認したいところです。
特に重要なのが、**「擁壁の所有関係」と「公的な記録」**です。
見た目では自分の土地を支えている擁壁に見えても、境界位置によっては隣地側の所有物である場合があります。
逆に道路側の擁壁が自分の敷地内に存在するケースもあります。
そのため、擁壁の確認は現地だけではなく、境界資料や測量図などと合わせて行う必要があります。
2mを超える擁壁では特に慎重な確認が必要
八王子市では、高さ2mを超えるがけに近接して建物を建築する場合、東京都建築安全条例による制限が関係することがあります。
また、新たに高さ2mを超える擁壁を築造する場合には、建築基準法上の工作物確認が必要となるケースがあります。
既存擁壁についても、
・確認済証
・検査済証
・宅地造成関係の許可書
・開発許可関係資料
などが確認できるかどうかが重要です。
ただし、
「資料が見つからない=直ちに違法な擁壁」
という意味ではありません。
古い擁壁では、築造時期や当時の制度などによって資料が確認できないこともあります。
一方で、購入者が将来建替えを行う場合、ハウスメーカーや設計士から擁壁の安全性について追加調査を求められる可能性があります。
したがって売却時には、分からないものを無理に「問題ありません」と判断するのではなく、
「確認できたこと」と「確認できなかったこと」を分ける
ことが重要です。
2m以下なら確認不要という意味ではない
ここも重要です。
東京都建築安全条例のいわゆる「がけ条例」では2mという基準がありますが、
2m以下だから擁壁の安全性を確認しなくてよい、という意味ではありません。
八王子市も擁壁について、
・石積みブロックのずれ
・亀裂
・沈下
・水抜き穴の詰まり
などを点検するよう案内しています。
特に古い擁壁では、雨水の排水状況が非常に重要です。
擁壁の裏側に水がたまると水圧がかかるため、水抜き穴などによって適切に排水する必要があります。
そのため、
「擁壁にひびがないから大丈夫」
だけでは判断できません。
擁壁の上にブロックが積まれている場合は注意
現地調査で私が特に気にするのが「増し積み擁壁」です。
例えば、
鉄筋コンクリート擁壁
+
その上にコンクリートブロック
+
さらに土が入っている
という状態です。
擁壁の上に単なる塀としてブロックが設置されている場合と、ブロック自体が土を支えている場合では意味がまったく異なります。
後から土を盛って高さを増している場合には、当初設計された擁壁に想定以上の荷重がかかっている可能性があります。
こうしたケースは、
「昔からこうなっているから問題ない」
とは判断せず、建築士等の専門家による確認を検討した方がよい場合があります。
道路は「幅員」だけ確認しても不十分
次に重要なのが道路です。
土地売却では、
「前面道路は約6mです」
といった説明を見かけます。
しかし、不動産調査では道路幅員だけ確認すればよいわけではありません。
少なくとも、
①道路法上の道路なのか
②建築基準法上どの道路に該当するのか
③公道なのか私道なのか
④認定幅員と現況幅員は一致しているのか
⑤敷地が道路に何m接しているのか
を確認する必要があります。
「市道」と「建築基準法上の道路」は別の確認
八王子市では「はちおうじマップ」の道路台帳マップ・道路幅員マップから、市道の路線名や認定幅員等を確認できます。
一方、建物を建築できるかという観点では、建築基準法第42条の道路種別を確認します。
代表的には、
・42条1項1号道路
・42条1項2号道路
・42条1項5号道路(位置指定道路)
・42条2項道路
などがあります。
八王子市では指定道路マップでも確認できますが、市は最新情報について窓口確認を求めています。
つまり、
「道路台帳に載っている」ことと「建築基準法上どの道路なのか」は別問題
です。
土地売却ではこの二つを分けて確認する必要があります。
「道路幅員」と「現地で測った幅」は違うことがある
さらに専門的に見ると、
・道路台帳上の認定幅員
・建築基準法上の道路幅員
・現況の舗装部分の幅
・道路境界間の幅
が必ずしもすべて同じとは限りません。
例えば現地で道路を測ると6m程度あっても、側溝や道路境界の位置によって法律上の扱いが異なる場合があります。
逆に現況では少し狭く見えても、認定道路として一定の幅員が定められている場合もあります。
そのため土地売却では、
「現地を測ったら約○mだった」だけで道路幅員を確定させない
ことが重要です。
道路境界と擁壁を一緒に確認する
めじろ台のように道路と宅地に高低差がある土地では、
「道路」
と
「擁壁」
を別々に調査してはいけません。
例えば道路側に擁壁がある場合には、
道路境界が擁壁のどこを通っているのか
を確認することが非常に重要です。
擁壁の外側なのか、
擁壁の中心付近なのか、
擁壁より宅地側なのかによって、
擁壁の所有関係が変わる可能性があります。
そのため、
・公図
・地積測量図
・確定測量図
・道路台帳
・境界標
・現地の擁壁
などを照合して判断します。
擁壁は買主の建築計画にも影響する
売主側からすると、
「今まで普通に家が建っていたから大丈夫」
と思われるかもしれません。
しかし購入者が土地を購入する場合には、
「今ある建物」ではなく、
「次にどのような建物を建てられるのか」
が重要になります。
古い建物を解体して建替える際、擁壁の状態によっては、
・建物を擁壁から離す
・深基礎を採用する
・杭基礎等を検討する
・擁壁を造り直す
・擁壁の安全性を構造的に確認する
といった対応が必要になる可能性があります。
八王子市も、既設擁壁について、検査済証があり維持管理が良好である場合など、安全上支障がないと判断できる条件を示しています。
つまり擁壁の調査は、
現在の安全性だけでなく「将来の建替えのしやすさ」にも関係する
ということです。
めじろ台では地区計画も確認する
めじろ台には「めじろ台地区地区計画」が定められています。
そのため土地を売却するときには、造成・擁壁・道路だけではなく、
・用途地域
・建ぺい率
・容積率
・地区計画
・敷地面積の制限
・建築物用途等の制限
などについても確認する必要があります。
特に土地として売却する場合、
購入者が希望する建物を建築できるか
は価格にも大きく関係します。
現在、八王子市では既存盛土等の状況確認調査も実施
2026年7月から2027年2月にかけて、東京都と八王子市では、過去に盛土造成された土地の一部について盛土や擁壁の状況確認調査を実施しています。
対象となるすべての土地を調査するものではありませんが、盛土規制法に基づく既存盛土等の調査が進められています。
また、東京都では既存盛土等分布マップも公開しています。
土地売却時には、こうした新しい公的情報についても確認しておくとよいでしょう。
めじろ台の土地売却で私ならこの順番で調査します
実際にめじろ台の土地を売却するとしたら、私は概ね次のような順序で調査します。
①現地調査
道路との高低差、擁壁の種類・高さ・状態、水抜き穴、亀裂、増し積み、隣地との高低差などを確認します。
②道路調査
道路台帳、道路認定、建築基準法上の道路種別、道路幅員、接道長さなどを確認します。
③造成履歴の調査
開発許可、宅地造成許可、開発登録簿、検査関係資料などを調査します。
④擁壁資料と現況を照合
図面上の擁壁と現在の擁壁が同じものなのか、後から変更されていないかを確認します。
⑤境界関係を確認
境界標、測量図、公図などを確認し、擁壁が誰の所有物なのか整理します。
⑥建替えへの影響を確認
必要に応じて建築士・ハウスメーカー・八王子市の担当部署等に確認します。
このように調査することで、
「擁壁があります」
というだけの説明から、
「いつ頃、どのような造成が行われ、どこまで公的資料が確認でき、建替え時には何を確認する必要がある土地なのか」
まで整理することができます。
売却前に調査することで買主の不安を減らせる
造成地や擁壁のある土地だからといって、売却できないわけではありません。
むしろ問題になりやすいのは、
「詳しく調べないまま売り出して、買主が契約直前になって問題に気付くこと」
です。
例えば購入申込み後に、
「この擁壁には検査済証がないようです」
「建替えの際に追加工事が必要かもしれません」
「道路の扱いをもう一度確認する必要があります」
と分かれば、購入者は不安になります。
場合によっては価格交渉や契約条件の変更につながることもあります。
だからこそ土地売却では、
売り出してから調べるのではなく、売り出す前に調べておく
ことが大切です。
まとめ|めじろ台の土地は「造成・擁壁・道路」をセットで確認する
めじろ台は良好な住宅地として形成されてきた地域ですが、土地ごとの条件は同じではありません。
特に土地売却では、
・盛土・切土などの造成履歴
・開発許可、宅地造成許可等の記録
・擁壁の構造、状態、所有関係
・擁壁の確認済証・検査済証等
・道路認定、道路幅員
・建築基準法上の道路種別
・道路境界と擁壁の位置関係
・将来建替えするときの影響
まで確認することが重要です。
そして最も大切なのは、
「擁壁がある=悪い土地」
「盛土=売れない土地」
と単純に判断しないことです。
公的資料・現地状況・造成履歴を一つずつ確認し、分かっていることと分からないことを整理したうえで購入者へ説明する。
これが、造成住宅地の土地売却において非常に重要なポイントだと考えています。
八王子市めじろ台で土地売却をご検討の場合には、価格査定だけでなく、造成・擁壁・道路・境界・建築条件なども含めて事前に確認しておくことをおすすめします。
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★この記事の監修者

柴田祐介(しばた ゆうすけ)1981年生まれ。
大手不動産会社にて八王子・町田・新百合ヶ丘など多摩地区を中心に約17年間、不動産売買仲介業務に従事。建築・住宅に関する知識を活かし、土地・戸建て・マンションの売却、相続不動産、空き家、土地の法令・道路・擁壁・境界などについて調査・提案を行っています。
宅地建物取引士、二級建築士、2級FP技能士、相続アドバイザー二級、秘書検定2級、既存住宅状況調査技術者