八王子不動産売買専門の株式会社cocoro不動産の柴田のブログです。

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めじろ台の住宅地を売却するときに知っておきたい造成地特有の注意点

八王子市めじろ台は、京王高尾線の建設とともに1965年頃から造成が始まり、1967年のめじろ台駅開業とあわせて本格的な分譲が始まった歴史ある住宅地です。

駅を中心として整然とした街区が形成され、比較的ゆとりのある敷地、落ち着いた低層住宅地としての街並みなどが現在まで受け継がれています。

一方、不動産売却という視点で見ると、めじろ台には一般的な平坦地の住宅地とは少し異なる注意点があります。

それが「造成地」であることです。

めじろ台の住宅地を売却する場合、建物の築年数や室内の状態だけを見るのではなく、

「この土地がどのように造成されたのか」

「擁壁はどのような状態なのか」

「道路や隣地との高低差はどう処理されているのか」

「将来建替える場合に問題がないか」

といった、土地そのものの確認が非常に重要になります。

今回は、めじろ台の住宅地を売却するときに知っておきたい「造成地特有の注意点」を、不動産売買の実務を踏まえて詳しく解説します。

めじろ台は丘陵地を造成して形成された住宅地

めじろ台は、もともとの自然地形を活かしながら大規模に造成された住宅地です。

八王子市の資料によると、1960年代半ばから京王高尾線の建設とあわせてめじろ台の開発が進められています。

そのため、街全体を見ると道路や区画が整然としていても、土地の内部では「切土」と「盛土」が混在している可能性があります。

切土とは、もともとの地盤を削って平坦にした土地です。

一方、盛土とは低い部分などに土を入れて地盤面を高くした土地です。

重要なのは、

「盛土だから危険」

「切土だから絶対に安全」

と単純に判断できるものではないということです。

造成方法、地盤の状態、排水計画、施工状況、造成後の維持管理などによって土地の状態は異なります。

したがって、売却時には「造成地である」というだけで判断するのではなく、その土地の具体的な状況を確認する必要があります。

めじろ台の売却で特に重要なのが「擁壁」

めじろ台を歩くと、道路と宅地、あるいは隣接する宅地同士に高低差があり、その高低差を擁壁で処理している土地を見ることがあります。

擁壁とは、高い土地の土砂が崩れないように支える構造物です。

鉄筋コンクリート擁壁のほか、間知石積み、間知ブロック積みなど、造成された年代によってさまざまな形式があります。

この擁壁が、めじろ台の不動産売却では非常に重要です。

擁壁については、

ひび割れがないか。

外側へ膨らんでいないか。

傾いていないか。

石積みやブロックにずれがないか。

水抜き穴が塞がっていないか。

大量の水が染み出していないか。

擁壁上部にブロックなどを増し積みしていないか。

といった点を現地で確認します。

八王子市も、擁壁の亀裂、沈下、石積みブロックのずれ、水抜き穴などを日常的な点検項目として挙げています。

見た目がきれいでも「適法な擁壁」とは限らない

擁壁で特に注意したいのが、

「見た目がしっかりしていること」

と、

「法令上・建築上問題のない擁壁であること」

は別問題だという点です。

古い住宅地の場合、造成された当時の資料が残っていないことがあります。

すると売却時に、

宅地造成の許可を受けた擁壁なのか。

開発許可によって造られた擁壁なのか。

検査済証が交付されているのか。

現在の状態に改変されていないか。

といった確認が必要になることがあります。

八王子市では、高さ2mを超える擁壁を新設する場合には、原則として建築基準法に基づく工作物の確認申請や完了後の検査が必要と案内しています。

また、市は既存擁壁についても、検査済証が確認できることや維持管理が良好であることなどを、安全性を判断する重要な要素として挙げています。

したがって、

「50年以上何も起きていないから問題ない」

という説明だけでは、買主や建築会社が納得しないケースがあります。

擁壁の問題は「建替え」のときに表面化することがある

中古戸建として現在使用できている場合でも、将来の建替え時に擁壁が問題になるケースがあります。

例えば買主が、

「建物は古いから取り壊して注文住宅を建てたい」

と考えている場合です。

ハウスメーカーや設計士が土地を調査した結果、

既存擁壁の安全性を確認できない。

擁壁から建物を離す必要がある。

深基礎にする必要がある。

杭などによる地盤対策が必要になる。

擁壁そのものを造り替える必要がある。

と判断される可能性があります。

この場合、買主が予定していた建築計画や予算が大きく変わります。

つまり、擁壁は単なる「土地の付属物」ではありません。

土地の利用価値や建築コストに直接影響する重要な要素なのです。

「擁壁が誰のものか」も確認する

もう一つ意外に見落とされやすいのが、擁壁の所有関係です。

一般的には高い土地側が所有しているケースも多いですが、必ずそうとは限りません。

境界線が擁壁の上なのか、下なのか、中央なのか。

擁壁全体が自分の敷地内にあるのか。

隣地の擁壁なのか。

造成時に共同で設置されたものなのか。

これらは現地を見ただけでは判断できないことがあります。

確定測量図、地積測量図、造成時の図面、境界標などを照合して確認します。

将来擁壁を補修・再築するときには、大きな費用が発生することもあります。

そのため、擁壁の所有者や管理責任が曖昧なまま売買すると、将来的な隣地トラブルにつながる可能性があります。

盛土規制法の確認も必要

2024年7月31日、八王子市は市内全域を「宅地造成等工事規制区域」に指定しました。

これは2023年に施行された「宅地造成及び特定盛土等規制法」、いわゆる盛土規制法に基づくものです。

ここで誤解してはいけないのは、

「規制区域だから土地が危険」

という意味ではないことです。

盛土などによる災害を防止するため、一定規模以上の盛土・切土・土地の形質変更などを行う場合に許可等を必要とする制度です。

したがって、普通に既存住宅を売却するだけで直ちに問題になるものではありません。

ただし、購入後に造成工事、擁壁工事、土地の形状変更などを予定している場合には、工事内容によって盛土規制法上の手続きが必要となる可能性があります。

土地として販売する場合や、建替え目的の買主が検討する場合には特に重要です。

「大規模盛土造成地マップ」に入っていたら危険なのか

造成地の調査をしていると、「大規模盛土造成地マップ」という資料を見ることがあります。

ここも誤解されやすいところです。

大規模盛土造成地として表示されているからといって、

「危険な土地」

「地震で崩れる土地」

と判定されているわけではありません。

過去の地形と現在の地形などから、一定規模以上の盛土が行われた可能性がある区域を把握するための資料です。

八王子市も既存盛土等に関する調査結果を公開しています。

したがって、該当する場合には「危険だから売れない」と考えるのではなく、造成履歴や現況を確認したうえで説明することが重要です。

開発登録簿を確認すると分かることがある

めじろ台のような計画的に開発された住宅地では、「開発登録簿」の確認が有効な場合があります。

開発登録簿とは、都市計画法による開発許可を受けた土地について、その開発行為の概要などを記録した資料です。

八王子市では、市役所の開発指導課で開発登録簿を閲覧でき、写しの交付も受けられます。

開発時期や土地によって資料の有無は異なりますが、

開発区域。

土地利用計画。

擁壁等の造成計画。

公共施設の配置。

などを確認する手掛かりになる場合があります。

売却前にこうした行政資料を調査しておくことで、買主から造成について質問されたときにも説明しやすくなります。

造成地では「排水」が非常に重要

造成地を見るとき、擁壁と同じくらい重要なのが水です。

土は、水を大量に含むと重量が増し、擁壁には大きな圧力がかかります。

そのため、擁壁には通常、水抜き穴などの排水設備が設けられています。

売却前には、

雨のあとに敷地内へ水が溜まらないか。

擁壁から異常な量の水が出ていないか。

水抜き穴が塞がっていないか。

隣地から大量の雨水が流れ込んでいないか。

道路側へ適切に排水されているか。

なども確認しておきたいところです。

特に長年居住している売主だからこそ分かる、

「大雨のときだけ水が流れてくる」

「以前からこの場所だけ湿りやすい」

といった情報があれば、売却前に整理しておくことをおすすめします。

ハザードマップと造成地の問題は分けて考える

売却時には、八王子市のハザードマップも確認します。

八王子市のハザードマップでは、土砂災害警戒区域・特別警戒区域、浸水想定区域などを確認できます。

ただし、

盛土であること。

擁壁があること。

土砂災害警戒区域であること。

これらはそれぞれ別の問題です。

「造成地だから土砂災害警戒区域」

とは限りませんし、

「ハザード区域外だから擁壁も問題ない」

とも限りません。

それぞれを個別に調査する必要があります。

めじろ台では地区計画も重要

めじろ台には、良好な住宅地としての環境を守るため地区計画が定められています。

現在の地区計画では、地区区分によって建築物の用途、高さ、壁面位置などに制限があります。

また、住宅地区などでは敷地面積の最低限度として160㎡が定められています。

これは売却時にも重要です。

例えば、

「土地が広いから2区画に分割して販売した方が高く売れるのではないか」

と考えても、地区計画による最低敷地面積の制限によって分割できない場合があります。

造成地特有の高低差に加えて、こうした都市計画上の制限も同時に確認する必要があります。

古い家を「土地」として売る場合ほど注意が必要

めじろ台では、分譲開始から50年以上が経過している地域もあります。

そのため、

「建物は古いので土地として売却したい」

という相談も増えてきます。

しかし土地として販売する場合、買主は当然「新しい建物を建築できるか」という視点で土地を評価します。

その際、

擁壁。

高低差。

盛土。

地盤。

地区計画。

接道条件。

上下水道。

造成履歴。

などが購入判断に大きく影響します。

古家付き戸建として販売するとき以上に、土地に関する調査が重要になるのです。

擁壁を直してから売った方がよいとは限らない

擁壁に多少の劣化が見られると、

「売却前に全部直した方がよいですか」

と相談されることがあります。

必ずしもそうとは限りません。

擁壁工事は規模によって数百万円単位、場合によってはさらに大きな費用になる可能性があります。

また、売主が考えている工事内容と、買主が予定している建築計画が一致するとも限りません。

そのため、

まず状態を確認する。

行政資料を調査する。

必要であれば建築士などに相談する。

そのうえで販売方法を決める。

という順序が重要です。

何も調べず高額な工事を先に行うことはおすすめできません。

造成地だから売却価格が安くなるとは限らない

造成地という言葉にネガティブな印象を持つ方もいますが、造成地であるという理由だけで土地価格が下がるわけではありません。

むしろめじろ台は、計画的に整備された道路、ゆとりのある街区、低層住宅中心の落ち着いた街並みなどが大きな特徴です。

1965年から造成が始まった京王の代表的な住宅地の一つとして、現在まで住宅地としての環境が維持されています。

重要なのは「造成地かどうか」ではなく、

土地の安全性。

擁壁の状態。

建替えの自由度。

敷地形状。

駅距離。

道路条件。

日当たり。

周辺環境。

などを総合的に評価することです。

売却前に調査しておくことが「安心材料」になる

造成地の売却で最も避けたいのは、売買契約後になって問題が発覚することです。

例えば契約後、買主側のハウスメーカーから、

「この擁壁では建築計画を進められません」

と言われれば、契約自体に影響する可能性があります。

逆に売却前に調査を行い、

造成履歴。

擁壁の状態。

行政資料。

高低差。

建築上の制限。

ハザード情報。

などを整理しておけば、買主も安心して判断できます。

不動産売却では、問題があることそのものより、

「何が分からないのか分からない状態」

の方が買主にとって大きな不安になります。

よくある質問

Q.めじろ台の土地はすべて盛土ですか?

いいえ。

住宅地全体が一律に盛土というわけではありません。

造成では地山を削る「切土」と、低い部分へ土を入れる「盛土」が組み合わされることがあります。

個々の土地について、造成履歴や地形を確認する必要があります。

Q.古い擁壁があると売却できませんか?

擁壁が古いというだけで売却できなくなるわけではありません。

ただし、劣化状況や許可・検査記録、建替え時への影響などを確認したうえで販売することが重要です。

Q.大規模盛土造成地に該当すると価格は下がりますか?

該当したことだけで価格が下がるとは限りません。

マップへの掲載は危険度判定そのものではありません。

実際の土地の状態や擁壁、地盤、建築条件などを総合的に判断します。

Q.売却前に擁壁を造り直した方がよいですか?

必ずしも必要ではありません。

高額な工事になる可能性もあるため、まず行政資料や現況を調査し、必要に応じて建築士等の専門家に確認してから判断することをおすすめします。

まとめ|めじろ台は「土地の履歴」まで調査して売却する

めじろ台は、計画的に整備された良好な住宅地であり、現在も落ち着いた住環境を求める方から検討されるエリアです。

一方、1960年代から造成された住宅地だからこそ、売却時には建物だけでなく、

擁壁。

盛土・切土。

高低差。

排水。

造成履歴。

地区計画。

将来の建替え条件。

まで確認することが重要です。

特に古い戸建を土地として売却する場合には、買主は「現在住めるか」ではなく「将来どのような建物を建築できるか」という視点で土地を見ています。

そのため、売却前の調査が土地の評価を大きく左右することがあります。

株式会社cocoro不動産では、八王子市内の不動産について、単に価格査定をするだけではなく、道路・擁壁・境界・造成履歴・建築条件など、不動産売買で問題になりやすい部分まで確認しながら売却のお手伝いをしています。

めじろ台の戸建・土地の売却をご検討の方は、まだ売却すると決めていない段階でもお気軽にご相談ください。

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【本ブログ監修者】

株式会社cocoro不動産 代表取締役

★柴田祐介(しばた ゆうすけ)1981年生まれ。

大手不動産会社にて、八王子・町田・新百合ヶ丘など多摩地区を中心に約17年間、不動産売買仲介業務に従事。

【保有資格】宅地建物取引士/二級建築士/2級FP技能士/相続アドバイザー二級/秘書検定2級/既存住宅状況調査技術者

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