八王子不動産売買専門の株式会社cocoro不動産の柴田のブログです。

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【遠方に住んでいても実家の売却をすべて任せられる?】

遠方に住んでいても、実家の売却は不動産会社に大部分の業務を任せることが可能です。

現地調査、売却査定、販売活動、内覧対応、購入希望者との条件交渉、売買契約や引渡しの準備まで、所有者が現地に何度も足を運ぶことなく進められるケースは少なくありません。

ただし、不動産会社にすべての判断を一任できるわけではありません。売却条件の最終決定や本人確認、契約意思の確認など、所有者自身が関与しなければならない手続きもあります。

今回は、遠方に住みながら実家を売却する方法について、不動産売買の実務的な観点から詳しく解説します。

『遠方からの実家売却はどこまで任せられる?』

実家の売却を不動産会社に依頼する場合、一般的には以下の業務を任せることができます。

・土地や建物の現地確認
・法務局や役所での物件調査
・周辺の成約事例や市場動向の調査
・売却査定と販売価格の提案
・広告掲載やインターネットによる販売活動
・購入希望者への物件案内
・購入申込みの受付と条件交渉
・売買契約に必要な資料の準備
・引渡しに向けた関係者との日程調整

例えば、現在は大阪府に住んでいるものの、東京都八王子市にある実家を売却したいという場合でも、現地の不動産会社に依頼することで、多くの手続きを遠隔で進められます。

重要なのは、不動産会社に任せられる実務と、所有者自身が判断する事項を明確に区別することです。

『不動産査定は現地に立ち会わなくても可能?』

不動産査定については、所有者の立会いがなくても実施できる場合があります。

土地の場合、接道状況、敷地形状、高低差、周辺環境などを現地で確認し、建物についても外観や敷地内の状況を調査します。

ただし、建物内部の確認が必要な場合には、鍵の受渡し方法などを事前に決めておく必要があります。

また、査定では単純に周辺の売出価格を比較するだけでは不十分です。

用途地域、建ぺい率、容積率、建築基準法上の道路、再建築の可否、境界の状況など、売却価格に影響する法的条件を確認する必要があります。

特に古い実家の場合、現在の建築基準法に適合していない部分や、建築当時の資料が残っていないケースもあります。

こうした事情を十分に調査せず、高額な査定価格だけを提示する不動産会社には注意が必要です。

『売買契約も現地に行かずに締結できる?』

不動産の売買契約は、必ずしも売主と買主が同じ場所に集まって締結しなければならないわけではありません。

書類の郵送による持ち回り契約や、一定の条件を満たした電子契約などを利用する方法があります。

2022年5月18日には宅地建物取引業法の関連規定が改正され、重要事項説明書などの電子的な交付も可能になりました。

ただし、重要事項説明をオンラインで実施する仕組みと、売買契約自体を電子的に締結する仕組みは別のものです。

取引関係者の同意や利用環境、本人確認の方法などを考慮して、適切な契約方法を選択する必要があります。

なお、重要事項説明は法律上、主に買主に対して行われるものであり、売主が必ず同席しなければならないわけではありません。

『決済や引渡しにも立ち会わなくてよい?』

遠方からの実家売却で特に質問が多いのが、最終的な決済・引渡しへの立会いについてです。

結論として、条件が整えば売主が決済場所に出向かずに手続きを完了できる場合があります。

不動産売買では、一般的に売買代金の残額を受け取ると同時に、所有権移転登記に必要な手続きや物件の引渡しを行います。

この際、司法書士による本人確認や売却意思の確認が重要になります。

司法書士が事前に売主と面談するなどして必要な確認を済ませ、登記関係書類が適切に準備されていれば、売主が当日の決済に立ち会わない方法を検討できます。

ただし、司法書士の判断や金融機関の取扱いによっては、対面での本人確認が必要になる場合があります。

遠方に住んでいる事情を早い段階で伝え、決済方法を事前に調整することが重要です。

『相続した実家の場合は相続登記に注意』

実家が亡くなった親の名義になっている場合には、通常の不動産売却とは異なる手続きが必要になります。

原則として、買主への所有権移転登記を行う前に、相続人への相続登記を済ませる必要があります。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記申請をすることが原則となりました。

正当な理由なく義務を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

なお、2024年4月1日より前に発生した相続も対象です。

相続登記を済ませていない場合、不動産会社による売却活動と並行して、司法書士などの専門家と登記手続きを進めることになります。

『兄弟姉妹が共有している場合はどうする?』

相続によって兄弟姉妹が実家を共有している場合は、さらに注意が必要です。

例えば、兄と弟がそれぞれ2分の1ずつ所有している不動産について、兄だけの判断で不動産全体を売却することは原則としてできません。

共有不動産全体を売却するには、共有者全員の同意が必要になります。

また、共有者の一人が遠方に居住している場合、それぞれの本人確認や契約書類の準備などを個別に調整することになります。

共有者が多いほど意思決定に時間がかかる可能性があるため、売却活動を開始する前に関係者間で方針を整理しておくことが望ましいでしょう。

『実家に残された家具や荷物はどうする?』

遠方からの実家売却で負担になりやすいのが、室内に残された家具や家電、生活用品などの残置物です。

長期間生活していた実家には、想像以上に多くの荷物が残されていることがあります。

不動産会社によっては、不用品の処分業者や遺品整理業者の紹介、見積りの手配などにも対応しています。

ただし、不動産会社が自ら家庭ごみや不用品を自由に収集・運搬できるわけではありません。

廃棄物の処理については、自治体のルールや必要な許可を確認し、適切な事業者に依頼する必要があります。

また、売買契約においては、何を撤去し、何を残した状態で引き渡すのかを明確にすることが重要です。

『土地の境界が不明確な場合は?』

古い実家では、隣地との境界が明確になっていないケースも珍しくありません。

境界標が見当たらない場合や、過去の測量図と現況が一致しない場合には、土地家屋調査士による調査や測量が必要になることがあります。

確定測量を実施する場合、隣地所有者との立会いや境界確認が必要になることもあります。

境界の問題は、売却価格だけでなく、買主が住宅ローンを利用できるかどうかや、将来的な建替え計画にも関係します。

売主が遠方に住んでいる場合でも、土地家屋調査士などと連携して現地での調整を進めることは可能です。

ただし、境界確認や測量の実施については、費用負担や隣地所有者の協力が必要となる点に注意しましょう。

『建物に不具合がある場合の責任は?』

遠方から実家を売却する場合、所有者が建物の状態を十分に把握できていないことがあります。

特に、長期間空き家になっている建物では、雨漏り、給排水管の不具合、シロアリ被害、設備の故障などが発生している可能性があります。

不動産売買では、売却後に契約内容と適合しない不具合が判明した場合、契約不適合責任が問題になることがあります。

売主が不具合を認識していなかったとしても、それだけで当然に責任を免れるわけではありません。

また、契約不適合責任を免責する特約を設けた場合でも、売主が知りながら買主に告げなかった事実については、民法572条との関係に注意が必要です。

遠方からの売却だからこそ、事前の現地調査や物件状況の確認が重要になります。

『相続した空き家には税制上の特例がある?』

相続した実家を売却する場合、一定の要件を満たすことで「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。

この制度は、相続した空き家を売却した際の譲渡所得から、最高3,000万円を控除できるものです。

ただし、適用には建築時期、被相続人の居住状況、売却時期、売却金額、耐震性などに関する複数の要件があります。

また、2024年1月1日以後の譲渡では、対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合、控除限度額は原則として一人当たり2,000万円となります。

売却後の解体によって要件を満たせるケースもありますが、期限や契約内容には注意が必要です。

税制の適用可否は売却方法や時期によって変わるため、事前に税理士などへ確認することをおすすめします。

『遠方からの売却で不動産会社を選ぶポイント』

遠方からの実家売却では、査定価格の高さだけでなく、現地での対応力や調査能力が重要になります。

特に確認したいのは、担当者が現地で発生する問題にどこまで対応できるかという点です。

例えば、建物の不具合が発見された場合、単に売主へ報告するだけでなく、売却条件への影響や必要な対応策まで提案できることが望ましいでしょう。

また、販売活動の進捗状況を定期的に報告し、購入希望者の反応や価格交渉の状況を具体的に説明できることも重要です。

遠方に住んでいる所有者は、現地の状況を直接確認する機会が限られます。

だからこそ、現地調査の質と報告の分かりやすさが、不動産会社選びの重要な判断材料になります。

『遠方からの実家売却でよくある質問』

Q. 一度も現地に行かずに売却できますか?

A. 条件が整えば可能な場合があります。ただし、鍵の受渡し、本人確認、必要書類の準備などを適切に行えることが前提です。

Q. 実家に荷物が残っていても売却できますか?

A. 売却活動を開始すること自体は可能です。ただし、引渡しまでに撤去が必要になる場合や、残置物を含めた売却条件を調整する場合があります。

Q. 実家が古くても売却できますか?

A. 建物の築年数だけで売却の可否が決まるわけではありません。土地の条件や建物の状態によっては、古家付き土地として販売する方法も考えられます。

Q. 親が施設に入居している場合、子どもが売却できますか?

A. 親が所有者である場合、原則として親本人の売却意思と判断能力が必要です。子どもだからという理由だけで自由に売却できるわけではありません。判断能力に問題がある場合には、成年後見制度などの検討が必要になることもあります。

『まとめ|遠方からの実家売却は事前準備と不動産会社選びが重要』

遠方に住んでいても、実家の売却を進めることは十分可能です。

現地調査や販売活動、購入希望者への対応などを不動産会社に任せることで、所有者の移動や時間的な負担を大きく軽減できる場合があります。

ただし、相続登記、境界問題、建物の不具合、残置物の処分、税制上の特例など、確認すべき事項は少なくありません。

重要なのは、単に売却活動を代行してもらうことではなく、現地で発生する問題を適切に調査し、解決に向けた提案を受けられることです。

特に八王子市やその周辺に実家を所有し、現在は遠方に住んでいるという方は、地域の不動産事情に精通した会社へ早い段階で相談することをおすすめします。

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【本ブログ監修者】

株式会社cocoro不動産 代表取締役

★柴田祐介(しばた ゆうすけ)1981年生まれ。

大手不動産会社にて、八王子・町田・新百合ヶ丘など多摩地区を中心に約17年間、不動産売買仲介業務に従事。

【保有資格】

宅地建物取引士/二級建築士/2級FP技能士/秘書検定2級/既存住宅状況調査技術者/相続アドバイザー2級

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