八王子不動産売買専門の株式会社cocoro不動産の柴田のブログです。

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廿里町について

はじめに

八王子市廿里町は、「廿里」と書いて「とどり」と読む、八王子市内でも特に印象に残りやすい難読地名の一つです。場所としてはJR・京王「高尾」駅の北側に位置し、高尾街道、多摩森林科学園、武蔵陵墓地方面の緑、そして戦国期の歴史が重なる、非常に個性の強い町です。

八王子市の町名・面積一覧では、廿里町の読み方は「とどりまち」、面積は約0.877㎢とされています。大規模な商業地というより、駅徒歩圏の住宅地、山裾の自然環境、歴史的背景が一体となったエリアと見ると、この町の特徴が理解しやすくなります。

廿里町の地名と歴史

廿里町を語る上で外せないのが、地名の由来と「廿里古戦場」です。八王子市の文化財紹介では、廿里という地名について、鎌倉から20里の距離にあったことから「十十里」と名付けられたとの説があるものの、定かではないとされています。また、永禄12年、1569年に武田信玄が滝山城の北条氏照を攻める際、合戦が起こった場所としても紹介されています。

この点が、廿里町を単なる住宅地ではなく、「高尾・浅川・八王子城方面の歴史的な動線上にある町」として特徴づけています。高尾駅周辺は現在では交通利便性や自然環境で語られることが多い地域ですが、かつては甲州方面、滝山城・八王子城方面、浅川流域を結ぶ要衝でもありました。廿里町の地形や位置関係を見ても、単に駅に近い町というだけでなく、山裾・川筋・街道筋が重なる場所であることが分かります。

高尾駅北側の住宅地としての性格

廿里町の大きな魅力は、高尾駅から近い場所にありながら、落ち着いた住宅地と緑の環境が共存している点です。京王電鉄の高尾駅は京王高尾線の駅で、特急・急行・快速・各駅停車などが停車し、北野・新宿方面、高尾山口方面へのアクセスが可能です。駅周辺にはJR中央線との接続もあり、都心方面への通勤・通学、八王子市内移動、休日の高尾山方面への移動がしやすい立地です。

また、高尾駅周辺では南北自由通路、橋上駅、北口駅前広場などを含む整備事業が進められており、八王子市は令和8年度以降の早期工事着手を目指す予定としています。廿里町は高尾駅北側エリアに近いため、今後の駅周辺整備によって、歩行者動線や駅前の印象が変わる可能性もあります。

不動産の観点では、こうした駅周辺整備は単に「便利になる」という話だけではありません。売却時には、駅までの実際の歩きやすさ、北口・南口どちらを使うか、坂や道路幅員、夜間の明るさ、買い物施設までの距離など、生活動線を具体的に説明できるかが重要になります。

多摩森林科学園と桜の保存林

廿里町を代表する施設の一つが、多摩森林科学園です。森林総合研究所の多摩森林科学園にはサクラ保存林があり、全国各地の著名なサクラの遺伝子を保存する目的で、昭和41年に設置が決まりました。現在は約8ヘクタールの面積に、江戸時代から伝わる栽培品種や国の天然記念物に指定されたサクラのクローンなど、全国各地から集められたサクラ約1,800本が植えられているとされています。

これは、単なる「桜がきれいな場所」というだけではなく、遺伝資源の保存、分類の見直し、保存方法、生理的反応などの研究も行われている専門性の高い施設です。高尾周辺の自然環境は観光資源として語られがちですが、廿里町の場合は「研究・保存・自然教育」という側面も持っています。

居住地として見ると、こうした緑地や研究施設が近いことは大きな魅力になります。特に、自然を感じながら暮らしたい方、高尾山周辺の雰囲気が好きな方、都心一辺倒ではなく落ち着いた住環境を求める方には、廿里町は候補になりやすいエリアです。

学区と生活環境

八王子市の通学区域資料によると、廿里町は番地により指定校や許可校の扱いが分かれており、1番から31番については指定小学校が浅川小、許可校が東浅川小、指定中学校が浅川中、32番以降は指定小学校が浅川小、指定中学校が浅川中とされています。

不動産購入や売却の場面では、学区は非常に重要な確認事項です。特に廿里町のように番地で扱いが分かれる町では、「廿里町だから一律にこの学校」と単純に説明するのではなく、該当番地ごとに八王子市の資料で確認する必要があります。

また、町内や周辺には坂、山裾、住宅地、駅前方面への動線が混在します。そのため、子育て世帯や高齢の方が住む場合には、駅や学校までの距離だけでなく、坂道、歩道の有無、交通量、夜間の明るさ、買い物のしやすさまで含めて確認することが大切です。

不動産売買で見る廿里町の専門的なポイント

廿里町の不動産を見る場合、単に「高尾駅徒歩圏」という評価だけでは不十分です。むしろ、次のような点を丁寧に確認する必要があります。

第一に、道路です。高尾駅に近い住宅地であっても、道路幅員、建築基準法上の道路種別、私道負担、セットバックの有無によって、再建築時の条件や資産価値は大きく変わります。特に古くからの住宅地では、見た目は道路に接していても、建築基準法上の扱いを確認しなければならないケースがあります。

第二に、高低差・擁壁・排水です。廿里町は高尾周辺の山裾に近いエリアであり、土地によっては道路との高低差、隣地との段差、擁壁、雨水排水の確認が重要になります。中古戸建の売却では、建物の状態だけでなく、敷地の安全性や維持管理費用も買主の判断材料になります。

第三に、ハザード情報です。八王子市のハザードマップは、土砂災害警戒区域、浸水想定区域、避難所、一時避難場所、災害時給水ステーションなどを掲載しており、洪水と内水のデータが重ねて表示されていると説明されています。廿里町周辺のように地形変化のある地域では、売却前に必ず個別地点で確認すべき項目です。

第四に、都市計画・建築制限です。廿里町24番5の2025年基準地価情報では、法規制として第一種低層住居専用地域、建ぺい率40%、容積率80%という情報が確認できます。ただし、これは特定地点の情報であり、町内すべてが同条件とは限りません。売買時には必ず対象地ごとに用途地域、高度地区、防火指定、建築制限を確認する必要があります。

売却時に評価されやすい点

廿里町の不動産で評価されやすいのは、まず高尾駅への近さです。JR中央線と京王高尾線を利用できる高尾駅周辺は、八王子市内でも一定の交通利便性があります。さらに、駅前の再整備が進むことで、将来的な街の印象が変わる可能性もあります。

次に、自然環境です。多摩森林科学園、武蔵陵墓地方面の緑、南浅川周辺、高尾山方面への近さは、他の住宅地にはない強みです。特に、都心へのアクセスを確保しながら自然も重視したい層にとって、廿里町は魅力を伝えやすい町です。

一方で、売却時には注意点もあります。坂道、敷地形状、高低差、擁壁、駐車場の使いやすさ、前面道路の幅、駅までの実際の歩行ルートは、価格に影響しやすい要素です。つまり廿里町では、「高尾駅に近い」という一言で終わらせず、土地ごとの個性を正確に説明することが重要です。

廿里町に向いている方

廿里町は、自然を感じながら暮らしたい方、高尾駅を日常利用したい方、落ち着いた住宅地を求める方に向いています。高尾山や多摩森林科学園、浅川周辺の雰囲気が好きな方にとっては、八王子らしさを感じやすい場所です。

一方で、駅前の商業利便性や平坦な街並みを最優先する方には、物件ごとの確認が必要です。坂や道路幅員、駐車のしやすさ、買い物施設までの距離など、現地で確認すべきポイントは少なくありません。

廿里町は、万人向けに分かりやすい大型分譲地というより、「高尾駅徒歩圏」「自然」「歴史」「落ち着き」を評価できる方に響きやすい町です。

まとめ

廿里町は、高尾駅北側に位置する、自然・歴史・住宅地が重なる個性的な町です。難読地名としての面白さだけでなく、廿里古戦場という歴史、多摩森林科学園のサクラ保存林、高尾駅周辺整備による将来性など、語るべき要素が多くあります。

不動産売買の視点では、駅距離や自然環境だけでなく、道路、擁壁、高低差、ハザード、用途地域、学区などを丁寧に確認することが重要です。特に廿里町は、土地ごとの個性が価格や売れ方に反映されやすいエリアです。

廿里町の不動産を売却する場合は、単に「高尾駅に近い物件」として扱うのではなく、「高尾の自然と歴史を身近に感じられる住宅地」として、買主に正しく魅力を伝えることが大切です。

よくある質問(Q&A)

Q1. 廿里町は何と読みますか?

「とどりまち」と読みます。八王子市内でも難読地名の一つです。

Q2. 廿里町はどのような雰囲気の町ですか?

高尾駅北側に近く、住宅地と自然環境が近接した落ち着いた町です。多摩森林科学園や高尾方面の緑が身近にあり、駅徒歩圏でありながら自然を感じやすい点が特徴です。

Q3. 廿里町の不動産売却で注意する点はありますか?

道路種別、前面道路幅員、私道負担、セットバック、高低差、擁壁、排水、ハザード情報の確認が重要です。特に山裾に近い立地では、土地条件を丁寧に調査する必要があります。

Q4. 廿里町は子育て世帯にも向いていますか?

自然環境や落ち着いた住環境を重視する方には向いています。ただし、番地による学区確認、通学路、坂道、歩道、交通量などは現地で確認することをおすすめします。

Q5. 廿里町の魅力を売却時にどう伝えるべきですか?

高尾駅へのアクセス、自然環境、多摩森林科学園、歴史性、落ち着いた住宅地としての魅力を整理して伝えることが大切です。一方で、坂や道路条件などの注意点も正直に説明することで、買主からの信頼につながります。

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【本ブログ監修者】

1981年生まれ。群馬県出身。大学卒業後、異業種を経て、その後不動産会社で八王子・町田・川崎にて16年間勤務。
在職期間中の2年間で、建築・デザイン専門学校にて認定単位取得後卒業。

〖保有資格〗
宅地建物取引士、二級建築士、2級FP技能士、秘書検定2級、既存住宅状況調査技術者、相続アドバイザー2級。