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契約不適合責任と設備の修復義務について

不動産売却を進める際に、売主様が気にされるポイントのひとつに「売却後の責任」があります。

特に中古住宅や中古マンションでは、引渡し後に雨漏り、給排水管の不具合、シロアリ被害、設備の故障などが見つかった場合に、売主様がどこまで責任を負うのかが大切な論点になります。

現在の民法では、売買した目的物が契約内容に適合していない場合、買主様は売主様に対して修補などの追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除などを求めることがあります。特に種類や品質に関する不適合については、買主様が不適合を知った時から一定期間内に通知することが前提とされています。

安易に「免責」にすれば良いわけではありません

売主様の立場からすると、「契約不適合責任は免責にしましょう」と聞くと、安心に感じるかもしれません。

たしかに、売却後の責任をできる限り負わない形にできれば、売主様にとっては大きなメリットです。引渡し後に不具合の連絡が来る心配を減らすことができ、精神的な負担も軽くなります。

しかし、ここで注意したいのは、何でもかんでも免責にすれば売却が有利になるとは限らないという点です。

買主様から見ると、「契約不適合責任も設備の修復義務もすべて免責です」と言われた場合、「購入後に何かあっても全部自己責任なのではないか」と不安になることがあります。

その結果、購入判断に慎重になったり、価格交渉の材料にされたり、そもそも検討候補から外されてしまう可能性もあります。

つまり、売主様を守るための免責が、かえって売りにくさにつながることもあるのです。

設備についても注意が必要です

中古住宅や中古マンションでは、給湯器、キッチン、浴室、トイレ、換気扇、インターホンなど、さまざまな設備があります。

これらは築年数や使用状況によって劣化していることも多く、引渡し後すぐに故障が発覚することもあります。

不動産流通推進センターの相談事例でも、台所や浴室の設備など、建物に組み込まれ建物と一体になっているものは建物の一部と考えられる場合があるとされています。また、中古住宅では設備の事前点検や付帯設備表での状態説明がトラブル防止に有効とされています。

そのため、設備についても「古いから全部免責で良い」と簡単に考えるのではなく、現在の使用状況、不具合の有無、交換時期、買主様への説明内容を整理しておくことが大切です。

不動産会社の都合で免責を勧められるケースもあります

実務上、不動産会社によっては、売主様に対して安易に「契約不適合責任は全部免責にしましょう」「設備もすべて修復義務なしで良いです」と勧めることがあります。

もちろん、物件の築年数や状態、売却事情によっては、免責が適切なケースもあります。

ただし、中には、不動産会社自身が引渡し後のトラブル対応を避けたいという理由で、深く考えずに免責を勧めている可能性もあります。

本来大切なのは、売主様のリスクを減らすことだけではありません。

買主様が安心して購入を検討できる状態に整えることも、売却を成功させるうえで非常に重要です。

売主様を守りすぎるあまり、買主様の不安が大きくなれば、結果として売却価格や成約スピードに影響することもあります。

弊社の考え方

cocoro不動産では、契約不適合責任や設備の修復義務について、最初から一律に「免責で進めましょう」とは考えていません。

もちろん、売主様の事情や物件の状態によっては、免責を選択することが適切な場合もあります。

一方で、一定期間だけ責任を負う形にする、設備については主要設備のみ修復義務を残す、古い設備は対象外にする、現況を明確に説明したうえで買主様に判断していただくなど、複数の選択肢があります。

大切なのは、売主様がそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、納得して選べることです。

「免責にすれば安心です」と一方的に進めるのではなく、売主様にとっての安心、買主様にとっての安心、そして売却全体への影響を総合的に考えることが大切だと考えています。

まとめ

契約不適合責任や設備の修復義務は、不動産売却において非常に重要なポイントです。

売主様にとって、売却後の責任をできる限り軽くしたいというお気持ちは自然なことです。

しかし、安易にすべてを免責にしてしまうと、買主様の不安を大きくし、結果として売却しづらくなる可能性もあります。

不動産売却では、「売主様を守ること」と「買主様に安心してもらうこと」のバランスが大切です。

株式会社cocoro不動産では、物件の状態や売主様のご事情を丁寧に確認しながら、契約不適合責任や設備の取扱いについて、複数の選択肢をご説明したうえで、売主様にご判断いただくことを大切にしています。

八王子市周辺で不動産売却をご検討中の方は、契約内容や売却後の責任についても、ぜひ早い段階でご相談ください。

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【本ブログ監修者】

★柴田祐介(しばた ゆうすけ)

1981年生まれ。群馬県出身。大学卒業後、異業種を経て、その後不動産会社で八王子・町田・川崎にて16年間勤務。
在職期間中の2年間で、建築・デザイン専門学校にて認定単位取得後卒業。

〖保有資格〗
宅地建物取引士、二級建築士、2級FP技能士、秘書検定2級、既存住宅状況調査技術者、相続アドバイザー2級。