🏡 土砂災害警戒区域内の物件について

不動産の購入や売却を検討する際に、「土砂災害警戒区域（いわゆる“イエローゾーン”）」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
八王子市や周辺の多摩地域でも、地形の関係でこうしたエリアが少なくありません。

今回は、土砂災害警戒区域内にある物件の特徴や、売却・購入時の注意点をわかりやすく解説します。

🌋 土砂災害警戒区域とは？

「土砂災害警戒区域」とは、がけ崩れ・土石流・地すべりなどの災害が発生するおそれがある場所として、都道府県が指定する区域のことです。

このうち、特に危険性が高い区域は「特別警戒区域（レッドゾーン）」と呼ばれ、建築制限や構造上の安全基準が厳しくなります。

指定の目的は、住民の生命・財産を守るためであり、開発や建築を禁止するものではありません。
しかし、区域内の物件は建築確認や融資審査で注意が必要です。

土砂災害警戒区域内の物件を売却する場合、最も重要なのは**「告知義務」です。
売主は、該当区域であることを買主に正確に伝える必要があります。**

告知を怠ると、後々トラブルの原因になるため注意が必要です。

また、購入希望者の中には「警戒区域」と聞くだけで敬遠される方もいます。
そのため、査定価格や販売戦略を考える際には、
・地盤改良
・擁壁の有無
・周辺環境の安全性
といった要素をしっかり説明し、安心感を持ってもらう工夫が大切です。

区域内物件でも住宅ローンの利用は可能ですが、金融機関によっては評価が厳しくなることがあります。
特に「特別警戒区域（レッドゾーン）」では、建物の構造や安全対策を確認されるケースが多いです。

また、火災保険や地震保険とは別に、「水災補償」などのオプションを付けることで、万が一の備えを強化することも可能です。

区域内だからといって、一律に価値が下がるわけではありません。
重要なのは、日常の安全対策と正確な情報開示です。

たとえば以下のような取り組みが効果的です。

✅ 適切な排水設備や擁壁の点検
✅ 雨量時の避難経路の確保
✅ 八王子市など自治体のハザードマップ確認

こうした基本的な対策を行うことで、安心感を高めることができます。
また、購入希望者にとっては「地盤・構造・避難体制が整った物件」は、区域内でも十分魅力的です。

八王子市は、丘陵や傾斜地が多い地域もあるため、警戒区域や特別警戒区域が点在しています。

ただし、区域指定はあくまで「リスクの見える化」であり、安全性を確保した上での居住は十分に可能です。

地元業者としての経験からも、地盤や区域を理由に不当に安く売る必要はありません。
適切に説明し、信頼を得ることが何より大切です。

土砂災害警戒区域内の物件は、正しく理解し、適切に対応すれば安心して売却・購入が可能です。
地元の実情を把握している不動産会社に相談し、根拠ある査定と丁寧な説明でスムーズな取引を目指しましょう。

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★柴田祐介（しばたゆうすけ）

1981年生まれ。群馬県出身。大学卒業後、異業種を経て、その後不動産会社で八王子・町田・川崎にて16年間勤務。
（在職期間中の2年間で、建築・デザイン専門学校にて認定単位取得後卒業）

【保有資格】
宅地建物取引士／二級建築士／2級FP技能士／秘書検定2級

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